職場でのストレスが30年で20%近く増加 要因には不確実性も

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管理職が持つ特徴の中で、目立たないものの好ましくない性質の一つは、周囲にストレスを与える傾向だ。

確かに、全ての管理職はある程度のストレスを周囲に与えている。仕事とはそれ自体、ストレスになるものだからだ。しかし、部下として働きやすいリラックスした上司が存在する一方、ストレスを引き寄せてしまう上司もいて、その間には非常に大きな差がある。

ストレスの少ない管理職の下で働いている運の良い人は、毎日の仕事の時間をとても前向きに過ごせることがある。しかしマクロの視点から見た場合、職場でのストレス水準は現在、間違った方向へと動いている。

米コンサルティング企業コーン・フェリーが先日発表した調査「Workplace Stress Continues to Mount(職場のストレスが継続して増加)」は、このトレンドを分析したものだ。同調査から分かったことは次の通りだ。

ストレスの最大要因

仕事で感じるストレスの最大要因は何だろう? 上述の調査の回答者のうち35%は、これを上司とした。驚くような答えではない。また、80%の回答者は、直属の上司や組織図上位の人物など、リーダー層の変更がストレス水準に影響すると答えた。

気がかりなことに、同調査では従業員の全体的なストレス水準が、30年の間で20%近く上がったことが示された。

より個人的なレベルでは次のようなことも分かっている。

・回答者の76%は、職場でのストレスが個人的な人間関係に悪影響を与えたことがあると答えた。
・66%は仕事に関するストレスで眠れなかったことがあると答えた。
・16%はストレスが多過ぎたことが原因で仕事を辞めたことがあると答えた。

管理職のストレスは伝染する

管理職のストレスに関する大きな問題の一つは、そのストレスが多くの場合伝染してしまうことだ。深刻なストレスを抱えている上司は、緊迫した振る舞いを通してそのストレスを従業員に波及させてしまう傾向がある。

もちろん、上司がストレスを冷静に管理できれば、部下との関係において強みになる。管理職が抱えるストレスは、伝染病ではないにしてもほぼ同等の波及力があり、1人の上司の悪影響は、その上司の管理する範囲に波のように広がってしまうことがある。
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翻訳・編集=出田静

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