職場でのストレスが30年で20%近く増加 要因には不確実性も

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ストレスの原因には現代の不確実性も

先ほどのコーン・フェリーの調査は、ストレスが増加している長期的な理由について「技術に仕事を奪われる恐れ」や「雇用を確保し続けるために新たなスキルを習得し続けるプレッシャー」など要素を挙げている。これはもっともなことだ。また私からは、特に管理職の世界に当てはまる3つ目の理由を挙げたい。

それは、長期的な雇用の安定が終わったこと、多くの企業が管理職の再編や縮小、規模の適正化(他にもさまざまな呼び方があるかもしれない)を当然のように頻繁に行なっていることだ。

私が30年前に初めて管理職になったときは、非常に異なる状況だった。もちろんリスクや不確実性はある程度常に存在したし、仕事では成果を出す必要があったが、そうしさえすれば自分には今後も仕事があると概して安心できた。管理職と企業の間には、長期的な忠誠心が存在した。

現在、そのような忠誠心はなくなった。少なくとも多くの企業では、そうした忠誠心が顕著に下がっている。これにより、不安はほぼ永続的に存在するようになり、管理職は次の組織再編が近いのか、それによりどういった影響があるのかを考え、不安を抱えることが多い。

そこからストレスが生まれるのも、残念ではあるが当然のことだ。

翻訳・編集=出田静

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