フォーブス ジャパン コミュニティプロデューサー

(C) Sami Välikangas

フィンランド・ヘルシンキで毎年行われる世界最大級のスタートアップイベントSlush。Forbes JAPAN編集部は、2018年12月で11回目の開催を迎えたSlushに参加。さらに盛り上がりを見せるスタートアップ市場の現場をレポートする。

Slushに参加しているのは、ヨーロッパの企業だけではない。極寒の時期に130カ国以上から集まっている。イベントの初日、ステージで大きく脚光を浴びたのは、「中国のイーロンマスク」と言われている電気自動車会社メーカーNIOのウィリアム・リーCEOとSlushのアンドレアス・サアリCEOによる対談だ。


(C) Sami Välikangas

NIOは、2014年に立ち上がったばかりのスタートアップだが、わずか4年でニューヨーク証券取引所に上場した。「中国のEV業界を牽引していくのではないか」と期待されるリー氏にEV普及の戦略をサアリ氏が聞いた。

アプリ利用者は、EV所有者の20倍

アンドレアス・サアリ(以下、サアリ):NIOをそもそも始めたきっかけは何ですか。

ウィリアム・リー(以下、リー):4年前、中国の大気汚染はひどい状態でした。大気汚染の解決を図るために、環境に優しい車の会社を立ち上げました。それから4年後、2018年に上場。こんなに早く上場した自動車企業はいないかもしれないですね。

サアリ:私もそう思います。NIOにとって、「ユーザーエクスペリエンス(UX)」が重要だと聞いています。これはNIOにとってどんな意味がありますか。

リー:UXは、車の速度やパワーなどの設備に関することだけではありません。感情にも訴えるものでなければいけません。例えば、スマホはハードウェア、ソフトウェア、そしてサービスの3つのバランスで成功しました。自動車には、ハードウェア、サービス、デジタル化、そしてコミュニティが必要だと思っています。

今、私たちNIOのアプリを使用しているユーザーは約17万人(2018年12月時点)。NIOの車を所有している20倍の人が参加しており、すでに大きなコミュニティが構築されています。2017年に行われたNIOデーでは、1億人を超える視聴者がそのイベントを見にきました。私たちはほかにも、たくさんのイベントを行なってコミュニティを盛り上げています。

サアリ:17万人のうち、車の所有車である8000人以外の人たちは、アプリで一体何をしているんですか。

リー:いろんなことです。電気自動車産業のことを議論したり、日常生活について話したり、美しい風景をシェアしたりします。私は毎日彼らと議論するために1時間は過ごせるように努めています。

電気自動車が普及するために必要なマインドセット

サアリ:電気自動車の中国マーケットはどういう状況ですか。


(C) Julius Konttinen

リー:急速に成長しています。2017年、7万台以上のEVが売れたと言われています。中国人は電気自動車を環境に優しいだけでなく、時代の最先端でかっこいいと感じているのでしょう。

文=井土亜梨沙

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