ロサンゼルス本拠のRelativity Spaceは2020年に、同社初のロケットをケープカナベラル空軍基地のLC-16(Launch Complex 16)に建設する発射台から打ち上げる計画だ。
Relativityは、ケープカナベラルから商用ロケットを打ち上げる4社目の企業となった。同基地からは既にスペースXやブルー・オリジン、United Launch Alliance(ロッキード・マーティン社とボーイング社の合弁事業)らが打ち上げを実施している。
Relativityが新たに建設する発射台は、20年にわたり同社が独占的に使用する見込みだ。同社の共同創業者で、昨年のフォーブスの「30アンダー30」に選出されたティム・エリス(Tim Ellis)は、次のように述べた。
「LC-16は1960年代にはタイタンミサイルの打ち上げにも使用された、歴史ある発射スペースだ。NASAのジェミニ計画のロケット打ち上げもここで実施され、アポロ計画のテストプログラムも行われた。宇宙開発の歴史を刻む、非常に重要な場所だ」
Relativityが3Dプリンター技術で製造するロケットはTerran 1と名づけられている。Terran 1は重量1250キログラムのペイロード(荷物)を低軌道に送り込む能力を持ち、打ち上げコストは約1000万ドルという。成功すれば、Relativityはキログラムあたりの打ち上げコストを最も安価に抑えられる、宇宙企業の1社となる。
昨年3月にRelativityは3500万ドルのシリーズB資金を調達し、累計の調達額は4450万ドル(約49億円)に達した。また、複数回にわたるエンジンテストを成功させ、3Dプリンターで製作したコンポーネントの試験にも合格した。
エリスによると、同社の従業員は14名から60名まで増加したという。彼らの多くは他の宇宙企業で勤務経験を持ち、彼らがケープカナベラルで関わった打ち上げミッションの合計は158回に達するという。
歴史あるLC-16から打ち上げを実施できることに、現在28歳のエリスはとても感激している。
「Relativityは、LC-16から初の商用ロケットを打ち上げる企業に選ばれた。また、単に打ち上げを行うだけでなく、未来につながるプラットフォームの担い手になれることに、非常にエキサイトしている」
「僕らの長期的なゴールは、3Dプリンター製ロケットを火星に送り込むことだ」と彼は続けた。