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元新聞記者のダイバーシティ・レポート


子連れ出勤に寛容な職種でも気を配る

経営者のFさん(2児の父)は、子育て中のスタッフが働き続けられるように配慮しているものの、子連れ出勤は進みにくいと話していました。「残業規制が厳しくなり、労基署の査察が多い中、大手でない企業はその対策だけでも手一杯。食品や細かい商品を扱っている店舗・職場もありますし、安全に子連れ出勤できる体制を整えられません」

ウェブニュース編集者のGさん(3児の父)は出版社に勤めていた時代、子どもを連れて出社。「忙しい週刊誌の編集部では無理でしたが、書籍の編集部は人数も少なくてコンセンサスが取りやすかった。出版やメディアは寛容な業界。でも、子連れで当たり前という開き直りはできません」。上司の了解を得たり、事前に知らせたり、気を配っているそうです。

「乳幼児はひんぱんに病気する」と知らない管理職

筆者は新聞社に20年勤め、3年前に独立しました。新聞社では取材の部署に長くいて、周りの先輩・後輩を見ても子育てに融通が利く雰囲気でした。その後、筆者が妊娠中に異動した部署は時間に厳しく、子どもの病気の対応が大変でした。

子どもは、保育園などの集団生活で病気をもらって免疫をつけます。娘は4歳ぐらいまで、月に1回は発熱して保育園から呼ばれました。その都度、回復まで1週間ほどかかり、会社の有給休暇や看護休暇はすぐになくなります。

待機児童が多い今、念願の保育園に入れても、病気になれば保育園に行けず子連れ出勤もできません。「乳幼児はひんぱんに病気する」と知らない管理職も多いです。簡単に病児保育の施設が利用できるわけではなく、探して手続きするのも一苦労。自宅に来てくれる病児シッターは高額です。

娘の病気がうつって筆者も何度か倒れ、身内は遠方・高齢で頼れず、夫は長時間労働。欠勤や遅刻早退の多さに仕事の評価が低くなり、希望の職種に戻れないまま居づらくなって退職しました。まず子どもが病気をした時のセーフティネットを築いた上で、子連れ出勤が歓迎されるならいいですね。

仕事先にも様々な事情が 「子どもは好きだけど…」

筆者は会社から独立後、子連れの仕事もしてみました。娘が5歳になって何度か取材に連れて行きましたが、内容を考えて限定する必要があります。

なぜなら、仕事をお願いする先には様々な事情があるからです。妊娠・出産に問題を抱える人も、病気や障害のある家族がいる人も、「子どもは好きだけど限られた時間でじっくり話したい」という人もいます。

ドイツ取材に娘を連れて行った際は、先方の状況に合わせました。障害者の作業所を訪ねる日は集中して話したかったので、娘と夫で動物園へ行ってもらいました。シリアからドイツに来た難民ファミリーの取材は、娘も同席してシリアの末っ子と一緒に絵を描いて交流しました。

文=なかのかおり

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