アジアの波打ち際から


留学を経て台湾進学を目指した理由

──中国からどういう気持ちで帰国、復学したのでしょうか?

留学を経て私の中の中国イメージは変わりました。中国が全て正しいわけではないけど、ホストファミリーと一緒に過ごした時間が嘘だったとも思えなくて。それで、先生や友達、親の話を全てそのまま受け入れるより、もっと世界に出ていろんな人と関わり、自分の考え方を確立させたいと思うようになりました。

少しおこがましいかもしれないけれど、皆にもイメージを変えてほしいと思ったんです。中国での経験を伝えたくて学校で話すと『中国人になったな』とか『お前スパイ?』とか言われたこともありました。面白半分で言ってくるのは分かるけど、悲しくて……。

こういう人たちと一緒に同じ大学に進めば、自分の思いがなくなってしまうと思いました。怖くなってしまいました。

留学生活はつらかったです。9割方は楽しめませんでした(笑)。でも、つらいときに頑張れた経験と比べると、沖縄での生活は『ぬるい』というか……。

振り返って、あのときこういう対応をしていればよかったなという『やり残した感』を感じることもあり、中国語を生かしながらもう少し頑張りたい、再び海外に行きたいという気持ちが芽生えました。

帰国後は、琉球大学で観光を学べる学部に進学しようとも考えましたが『なんか違うな』と違和感を覚えるようになりました。東京の大学で観光と中国語が学べる学部への進学も考えました。そこから交換留学するのもいいと考えましたが、中途半端になるかなと思いました。

帰国前は『沖縄から一生出ない』と宣言していたのに、帰国後1週間して『私は日本の大学に行けない』と親に伝えました。親はすごく困って『何考えてるの?』という感じでした。最初は聞き入れてもらえなくて...。

──再び反対する親。どう説得したのでしょうか。

着々と台湾の大学の資料を集めました。中国語教室の先生にも思いを伝え、いろんなことを自分たちでまとめ、タイミングを待って親に切り出しました。『こういうことを調べていて、こういう形で行ける。申請書も自分で出す』と伝えました。

──大学進学でなぜ「台湾」へ?

高校に復学して3カ月後、進学を念頭に一人で初めて台湾に行ってみました。『ここならやりたいことができる』『住んでいける』と直感しました。

大学を回り、台湾師範大学に目標を定めて受験対策を始めました。入学申請締め切りの3月までに中国語検定を取り、入試面接を受けて合格しました。行かせてくれた親に感謝しています。


(コラージュ・那覇市内の風景=2018年5月、12月)

──人生の大きな選択。何を感じて台湾に決めたのでしょうか。

沖縄と雰囲気が似てるというか。朝、台湾の空港に着いて外に出たときの南国感が肌に合う感じがしました。背伸びするでもなく田舎でもない。私に合っていました。東京ほど忙しくなく、沖縄ほどのんびりしすぎていない。台北のそんな雰囲気が好きで、着いた瞬間に『自分がここでできることがある』と感じました。

文=李真煕

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