旅行誌コンデナスト・トラベラーによると、パリ12区にある同レストランは1年3カ月にわたる営業の末、人々が公共の場所で裸で食事をしたがらないことに気がついたようだ。閉店は2月に予定されている。
フォーブス上級寄稿者のセシリア・ロドリゲスが2017年の同店オープン時に執筆した記事によれば、店では到着した客がロビーで全ての服を脱いで店に預けることになっており、正式オープン前にはパリ・ヌーディスト協会の会員に対して限定オープンした。外からのぞかれないよう店内には大きなカーテンがかけられ、客による盗撮を防ぐために携帯電話やカメラはクロークに預けることになっている。
店内にあるクローク
オーナチュレルは、双子の兄弟マイクとステファヌ・サダにより、ヌーディストの多いフランスの隙間市場を捉えようと立ち上げられた。トリップアドバイザーのサイトでは、本稿執筆時点で同店のレビューは6件しか投稿されていない。
ロンドンのヌーディストレストラン「ブンヤーディ(Bunyadi)」が利用前に閉店してしまったためオーナチュレルを訪れたというあるレビュワーは、「とても変わった体験で、食事はとてもおいしかったが、重きが置かれていたのは裸でいること! 予約がなければだめだと思うので、事前に予約して行くこと。このビジネスが成功するかどうかは、たとえパリであっても確信が持てない」と書いている。
では、裸をテーマとしたレストランは、いったい何が問題なのだろう? 現時点ではそれは謎のままだ。
単に、長期的に事業を続けるためにはニッチ過ぎたということもあり得る。このレストランに来る顧客層は、外食をしながら裸でいたい人たちだ。
消費者の多くは外食を好み、時には浜辺などで裸になることを楽しむ人もいるが、この2つを満たす層が単に少な過ぎたということなのかもしれない。また、家で裸で食事をすることと、公共の場で裸で食事することは全く違う。