ハイテク銃市場の現状と今後
セキュビットは2010年、イスラエル海軍特殊部隊出身のアサフ・バルダビドによって創業された。イスラエルに23人、北米に4人いる従業員の大半は、研究開発に従事している。同社が開発したソフトウエアチップの初めての顧客は、スウェーデン軍だった。現在は、米軍を含め12カ国に顧客を持つ。この製品は、市場に流通しているアサルトライフルの90%以上、拳銃の70%以上に導入できる。
銃器への新テクノロジー導入が遅い理由は、銃の複雑な構造にある。1丁に使われる部品は100個以上だ。セキュビット・イスラエルのゼネラルマネジャー、シャハル・コヘンによると、連射速度はアサルトライフルで毎分600~900発、サブマシンガンやマシンガンの場合は同900~1200発になる。
テルアビブのセキュビット本社で取材に応じたヤアコブ・ラドフスキーとシャハル・コヘン / ELIZABETH MACBRIDE
米国では、銃器を所有する個人や民間組織は以前から、いわゆるスマート銃テクノロジーの信頼性に疑問を呈してきた。セキュビットによれば、WeaponLogicのチップは銃の発射メカニズムには組み込まれず、単に監視装置として機能するのだという。
同社はWeaponLogicを、氷点下40度の極寒から約50度の厳暑までの過酷な条件下で試験している。コヘンによると、同製品は軍用仕様に準拠しており、チップ内のデータは外部から読み取れない仕組みになっている。
ザッカーマンは電子メールでの取材に対し、同社のチームが遭遇した喜ばしいサプライズについて次のように述べた。「約5年かけて市場を開拓してきたが、この1年間は主要国の軍当局から関心が寄せられた」
「未来の戦場では間違いなく、無人の機械(無人攻撃機、ロボット兵士、無人の車両や船舶など)への依存度が高まり、その大半には何らかの射撃装置が備えられるだろう。われわれのチップがとても重要な役割を果たすことになる」
ザッカーマンはまた、米国には民間の銃器市場にも大きな市場機会があるとみている。同社は2020年に初の一般向け製品を発売する予定だ。