ビジネス

2019.01.18

真のグローバルカンパニーに必要な「2つの視点」|AnyMind Group 十河宏輔

AnyMind Group 十河宏輔

2016年4月にシンガポールで設立された広告テクノロジー会社・AdAsia Holdings(現AnyMind Group)。同社は、設立後まもなくしてタイやインドネシア、そして日本にまで続々と拠点を広げている注目株のベンチャー企業。

今回は、そんなグローバル若手起業家の雄、同社CEOの十河宏輔氏に急成長のポイントなどをドリームインキュベータの小縣が聞いた。(全6話)※本記事は2017年9月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。


アジアから見た日本マーケットの「特異性」

──最近日本に進出された(2017年4月)とのことですが、日本攻略における戦略はありますか?

アジアという括りでいくと、インターネット広告において、日本はアジア第2位の規模のマーケットを持っています。

私自身も日本人なので、母国への思い入れが強いこともあり、日本でもビジネスを拡大したい想いは強いです。

当社の強みはネットワークの強さです。アジア全域で、これだけ広くネットワークを張っている企業はなかなか無いと思っています。

特にグローバルにビジネスを展開している会社にとっては、グローバル一括でプロモーションができればそれがコストメリットになります。我々のようにアジアの至る所にネットワークを持っている会社とビジネスができるというのは、日本の企業にとっても非常にメリットが大きいのではないでしょうか。

動画広告やインフルエンサーマーケティングでは、ローカルのインフルエンサーやメディアと協力しながらやらないといけません。

拠点があり、優秀なローカル社員を抱えている我々だからこそ、クライアントに十分に満足していただけるサービスやプロダクトを提供できるので、日本マーケットにおいても確かな競争優位性を持っていると思っています。

加えて、日本の国内向けのプロダクトも整ってきたので、他の国でマーケットシェアを取っているように、日本でもしっかりと国内のシェアを確保していきたいと思っています。

──なるほど。アジア各国を攻略したのちに、改めて日本のマーケットを見た時に感じたことはありましたか?

一口にアジアと言っても、国によって全然違いますからね……。ただ、日本という国を客観的に見た時、アジアの中でもとりわけユニークだなと感じています。

──どうユニークなんでしょう?

たとえば、タイやベトナムでは、クライアントに提案する際の提案書を英語で作ります。もちろんローカルな言語は存在するんですが、グローバルな大企業を相手にするなら、英語が普通です。

でも、日本では大企業相手でもそういうことはほぼないですよね。日本独特の文化や言語が大事にされています。異常なほどユニークなローカルマーケットだと思います。
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文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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