ビジネス

2019.01.18

真のグローバルカンパニーに必要な「2つの視点」|AnyMind Group 十河宏輔

AnyMind Group 十河宏輔




世界展開においてローカライズすべきものと守るべきもの

──スタートアップ企業の考え方や環境も異なるのでしょうか?日本のスタートアップ企業の場合、まずは日本でビジネスの成功を狙う、というところが多い気がします。

それは日本というマーケットが大きいからじゃないでしょうか。

日本の中だけでビジネスをやっていても、ある程度の成功というか、ある程度の規模のビジネスを作ることができますよね。

まだ完全に成功したかわからないような未熟なビジネスモデルを、あえて横展開して各国でローカライズをしていくというのは極めてコストが高い上に、成功する保証も無い。その意味では、日本のスタートアップの経営判断としては妥当とも言えます。

しかし、当社は最初からグローバル展開を前提としています。日本では珍しいかもしれませんが、東南アジア発のスタートアップとしては当然とも言えます。

──最初からグローバル展開を前提とされている中で、ローカライズはどのように考えられていますか?

我々もローカライズは大事なポイントとして捉えています。

それは間違いありませんが、それとは別にグローバル企業は自身の譲れないスタンダードを持つべきだと考えています。どの国で事業をやっていようが、ブレないスタンダードを持たないといけないんです。

──それは事業面でということでしょうか?それともマインドの面でしょうか?

両方です。

事業面から見た譲れないポイントもありますし、社員が心得ておかなくてはならない思想的な面もありますね。それは各国の社員に持ってもらうようにしています。

例えば、新しい国に進出した時、ローカル社員が言い訳でよくこう言います。「ここはタイだから!これはタイでは普通だから!」とか、「ここはフィリピンだから!」とか。

そういう話を聞いた時は「そうじゃないんだ、『タイだから』『フィリピンだから』じゃなくて、真のグローバルカンパニーを目指す会社としてこれは譲れないんだ」と言うようにしています。

ローカライズすべき部分と、スタンダードとして持ち続けるべき部分。この線引きを明確にすることが、真のグローバルカンパニーにとって必要だと思います。

文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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