自信はあるが必要スキルがない人の面接方法

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本記事は、面接先の求めるスキルよりもはるかに多くの自信を持っている人にぴったりの内容だ。

企業の間では、募集中のポジションと完全に合致した経歴やスキル、学歴を持っている候補者でなければ検討しないという考え方が主流になっている。求人をかける管理職にとって理想的な人材は、他の企業から自分の企業へスムーズに溶け込んでくれる人だ。そういった人材は、初日から即戦力となるからだ。

この採用方法にはいくつかの問題がある。募集職種に完全にマッチしたスキルと経験を持つ人は、給与が大幅アップしたり、現在の職を失いそうだったり、現在の上司が嫌いだったりしない限り、今と全く同じ仕事への転職には興味を持たないだろう。また、候補者は自分の能力を発揮したり、仕事に早く追いつくための職場内訓練を受けたりする機会を与えられないため、不利な立場にあるといえる。

それでも恐れることはない。画期的な解決策を紹介しよう。これは、筆者自身が転職エージェントとして使うスタイルとテクニックに近い。私たちは、企業から自社の採用サービスについて質問を受ける。企業の採用担当者から連絡があり、幹部候補者の採用を支援するエージェントを選定するため、多くのヘッドハンティング会社にコンタクトしていると告げられる。

通常そのような企業からは、私たちに採用支援に当たっての資質があるかどうかを確かめるために根掘り葉掘り質問を受けるが、これは採用面接に似ている。私たちの見込み客は、こちら側の経験や専門分野、過去の成功例、候補者探しで使うプロセスなどについて、延々と質問をぶつけてくる。

私がそこで用いるマインドセットとアプローチは、あたかも相手が私の会社だけを選び、既に仕事を依頼したかのように振る舞うことだ。相手が他の会社とも交渉していると明言しようが関係ない。私はまず、相手が私を既に選んでいるという前提で着々と話を進める。声のトーンや質問内容も、その前提に沿ったものにする。

こちらからする質問は、今行っている採用活動を改善するためにさらなる情報が必要だ、というスタンスで行う。正式な仕事依頼は求めずに、自分は既に依頼を受けていて、この会話は候補者探しを始めるための情報収集であるかのように話を進めるのだ。

「まずは、会計学の学位とMBAの取得者で、ヘッジファンドで10年の経験がある人材を探し始めればよいでしょうか?」と言った後、「これは素晴らしいポジションのようですね。思い当たる候補者が数人いますので、この後すぐに連絡しようと思います。弊社に連絡していただきありがとうございます。すぐに取り掛かりますね!」と続ける。毎回成功するとは限らないが、多くの場合、うまくいく。
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編集=遠藤宗生

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