フォーブス ジャパン編集部 エディター

(Getty Images)

アリババのジャック・マー(馬雲)、テンセントのポニー・マー(馬化騰)、平安保険のマー・ミンジェ(馬明哲)の「三馬」が中心となり、2013年に設立された衆安保険。いまや時価総額740億香港ドル (1兆円)を超えた同社は、InsurTech(インシュアテック)企業として世界初のユニコーン企業となった。

2018年9月には損保ジャパン日本興亜とパートナー契約を締結し、日本市場への参入を予定している同社が1月16日、新たな動きを発表。子会社の衆安国際と東南アジア最大のライドシェアサービス企業Grabの2社で合弁会社を設立し、東南アジアでネット保険販売事業に参入するという。

今回立ち上げた合弁会社では、ネット保険のマーケットプレイスをつくり、保険料の分割払特約が付帯したさまざまな種類の保険商品を、Grabのアプリを通じてユーザーへ直接提供する。また、グローバルの保険パートナーと共同で、特に東南アジアの人々の生活ニーズに応える商品を開発。

衆安国際はプラットフォームを構築するための技術資産とインターネット経済圏の知見を提供。一方Grabは、モバイルアプリを通してネット保険プラットフォームを立ち上げ、広いユーザー基盤と圧倒的な顧客への見識を活用し、カスタマイズされた保険商品を数百万のユーザーに提供することで新たなネット保険のマーケットプレイスをつくっていく。

このマーケットプレイスは他の市場に先駆け、2019年上半期にシンガポールで提供開始の予定。これを活用することで無保険、または十分な保険に入っていない数百万の人々が携帯電話から保険商品にアクセスできるようになり、代理店や業者を介さなくても、Grabアプリから直接、手頃な商品の閲覧や支払いが可能になる。

今回の発表に関して、衆安保険の海外事業責任者兼バイス・ジェネラル・マネージャーのウェイン・シューはこうコメントしている。

「東南アジアのネット最大手であるGrabと、このような力強い提携を発表でき、大変うれしく思います。衆安保険はこの5年間で新しい世代のお客様へ、日常生活のリスクに対する保障を提供する経験を多く積み上げてきました。当社は、300以上のネット業界のパートナーと衆安保険を中心とした保険のエコシステムを構築するという共通の目標のもとで協力し、技術的なソリューションを提供しています。衆安保険はGrabや他の大手保険会社と協調することで、東南アジアの顧客の保険ニーズに一層応えることができると確信しています」

Grabはここ数年で、中核事業の交通サービスに加え、配送サービス、フードデリバリーや食材宅配、金融サービス、そのほかのコンテンツ提供にまで事業を拡大している。今回、衆安保険と合弁会社を立ち上げた理由について、同社のミン・マー社長は以下のようにコメントした。

「保険プラットフォームの立ち上げは、同地域で日々の生活に欠かせないスーパーアプリ最大手になるという当社の取り組みの一環です。東南アジアでのダウンロード数が1億3000万を超え、336の都市で事業展開するGrabは消費者の行動やニーズを深く理解しているため、お客様にとって価値を生む革新的な保険商品を提供できます」

Grabによれば、今回の取り組みは適切な保険商品の特定や高額な保険料、支払いにおける選択肢といったよくある悩みに対し、GrabPayまたは決済パートナーを通じて保険料の支払いを調整し自動控除することで応えていくもの。

まず始めに、損害保険のChubbとともに、シンガポールのGrabのパートナー運転手にドライバー保険商品を提供し、病気や事故による収入損失を保障するそうだ。

なお、Grabはネット保険だけでなく、外国送金やオンラインヘルスケアサービスも2019年に展開していく予定だという。

文=新國翔大

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