ネットフリックス「値上げ」で株価急騰、CEOは資産4000億円突破

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ネットフリックスは1月15日、全プランの料金の値上げを発表した。値上げ幅はプランによって異なるが、13%から18%の間となっている。発表を受けて、同社の株価は6%以上の値上がりとなった。ネットフリックスの株価は、昨年のクリスマス以来50%以上の上昇となっている。

15日正午(米東部時間)時点で、ネットフリックス株は一株約355ドルで取引されており、昨年7月の最高値の約418ドルは下回るものの、クリスマス時点の234ドルを大幅に上回る水準となっている。

株価の上昇を受けて、ネットフリックスの発行株式の2.5%を所有する、共同創業者でCEOのリード・ヘイスティングスの資産額は、12月25日から10億ドル以上の上昇となった。フォーブスのリアルタイム・ビリオネアランキングで、彼の資産額は推定37億ドル(約4000億円)とされている。

現在58歳のヘイスティングスは、紆余曲折を経てテクノロジー業界に入った。彼は1983年にメイン州のボウディン大学の数学科を卒業後、海兵隊に加入。さらに、平和部隊に参加して世界各地を回りスイスで高校教師を務めていた時期もある。その後、スタンフォード大学で人工知能の修士課程を卒業し、共同創業した「Pure Software」は1995年に上場し、1997には「Rational Software」に買収された。

ヘイスティングスは1997年にネットフリックスをMarc Randolph(2004年に離職)とともに共同創業した。当初はウェブ経由のDVDレンタルサービスとして始動した、同社の事業はいくつかの危機に直面した。2011年にヘイスティングスは、それまで一つのパッケージとして提供していたDVDレンタルと、動画ストリーミングを別々のビジネスに分離する決定を下した。その結果、激しいユーザー離れが起こり、株価は74%急落した。

ネットフリックスの今回の値上げのアナウンスは、全く消費者の反発を引き起こしていない。調査企業Waterstone Management Groupのデータでは、利用者の大半は自分がサブスクリプションサービスに支払っている正確な金額を把握していない。さらにいうと、ネットフリックスの月額費用は、ケーブルテレビに比べると格安だ。

ネットフリックスは現在、1億3000万人を超える有料会員を抱えており、過去5年間で1億人の伸びとなっている。

米国では今週、コムキャストが独自のストリーミングサービスを2020年に立ち上げると宣言した。競合のHuluは先日、米国のサブスクリプション会員数が2500万人を突破したとアナウンスした。しかし、ネットフリックスとヘイスティングスは、彼らのずっと先を走っている。

編集=上田裕資

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