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2019.01.15 18:00

ZOZO前澤氏の1億円お年玉は「コスパの良い広告」でも「広告の終わり」でもない

ZOZOの前澤友作 代表取締役社長(Getty Images)

ZOZOの前澤友作 代表取締役社長(Getty Images)

この「SNSマーケティングを社会学的に考える」という連載として、ぜひ採り上げたい一大イベントが年始にありました。そう、ZOZOの創業者であり、代表取締役社長である前澤友作さんによる突然のツイートから始まった、100名に100万円をプレゼントする1億円当選イベントです(以下、前澤社長のツイートに準拠して1億円お年玉プレゼントと呼びます)。

おそらく読者の方々の周りでも、広く話題になっていたのではないでしょうか。

今回はこの1億円お年玉プレゼントが持っていた意味合いを、少し踏み込んで考えたいと思います。この件を巡っては各種メディアやネット上で賛否両論が巻き起こりましたが、その意見の割れ具合こそが本企画の新しさや意義を示していると思うのです。

SNSについて、現代の私たちのコミュニケーションのあり方について、そしていまの時代の「広告」のあり方について、この事例から学べることをまとめます。

RT数世界記録、フォロワー500万人の増加

まずはこの1億円お年玉プレゼントの概要をおさらいしてみましょう。

1月5日に前澤社長がこのような内容をツイートしました。1月7日までを応募期間として、前澤社長のアカウントをフォローし、その上でRT(リツイート)したユーザーの中から抽選で100名に、100万円をプレゼントする──。RTするだけで総額1億円が手に入るかもしれないという射幸的な気持ちが正月明けの私たちの心を揺り動かし、あっという間にRTで拡散されました。



前澤社長自身が1月12日に明らかにしたツイートアクティビティによれば、結果として、このツイートのインプレッションは約1億8400万、エンゲージメント総数は約3800万、RT数は約530万、いいねは約140万という桁違いの数字を記録しました。

前澤社長のアカウントのフォロワー数も爆増し、本稿執筆時点では約547万フォロワーとなっています。まさに月まで届くほどの勢いで、かつてツイッターを利用して生活者から人気を得た起業家の先輩(?)、孫正義氏のフォロワー数をも抜いてしまったのでした。この企画によって、フォロワーは約500万人増えたことになります。


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文=天野 彬

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