中国のスタートアップが世界のイノベーションの最先端に駆け上がるなかで、中国のベンチャーキャピタルの勢力も米国のVCレベルに近づいている。2018年は中国のテック企業のIPOが相次いだ年だった。
CNBCの報道によると昨年、米国でIPOを果たした中国企業は37社に及び、調達額の合計は92億ドルだった。2017年には16社が米国で上場し、34億ドルを調達していた。
今回のファンドの組成に先立ち、LCPは2018年に2社の出資先をIPOに導いていた。そのうちの1社であるフードデリバリーの「美団点評(Meituan-Dianping)」は9月に香港市場に上場し、42億ドルを調達した。また、格安Eコマースの「拼多多(Pinduoduo)」も7月に米ナスダック市場に上場し、16億ドルを調達した。
2017年の後半にもLCPの出資先の2社が、ニューヨーク市場でIPOを行った。インターネット金融のRong360と、P2P金融サービスのPPDAIだ。
LCPの創業パートナーのJames Miは、かつてグーグルの事業開発部門でバイドゥへの出資を指揮した人物だ。同社は2015年11月に創業直後だったPingduoduoに1000万ドルを出資し、3年間で40倍のリターンを得ている。
LCPは米中の貿易摩擦への懸念の高まりや、中国経済の減速の影響を受けず、巨額の資金調達に成功したと述べている。新たな資金の多くは世界の機関投資家からもたらされたという。
「投資家は中国のVC市場を米国に匹敵する安定したマーケットとみなしている。彼らはアーリーステージの投資への、参加に意欲を燃やしている」と、Miは述べた。「中国の経済減速は一般消費者の消費には悪影響をもたらすかもしれない。しかし、ディープテック領域や企業レベルのイノベーションにはさほど影響を与えない」と彼は話した。
LCPの運用資金の総額は累計で15億ドルに達し、6つのファンドを運用中だ。同社はスナップチャットの初期出資元として知られる、シリコンバレーのライトスピード・ベンチャー・パートナーズを親会社とする企業で、2013年から中国のテクノロジー領域に特化した投資を行っている。