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N26のCEO Valentin Stalf(Photo by Noam Galai/Getty Images for TechCrunch)

ドイツのベルリン本拠のデジタル銀行「N26」が1月11日、新規で3億ドル(約325億円)を調達したことを明らかにした。中国のテンセントらが支援する同社の企業価値は、27億ドル(約2900億円)とされた。

欧州で230万人の利用者を抱えるN26は年内にも、米国事業を始動する計画だ。同社の国際部門主任のAlex Weberは昨年12月のフォーブスの取材に次のように述べていた。

「2019年の前半に米国市場に乗り込むことを、明確なゴールとしている。約1年前からニューヨークオフィスを開設し、20名ほどのチームでプロジェクトを始動している」

Weberは当時、「米国の数多くの銀行から提携のオファーを受けている」と述べていた。PitchbookのデータによるとN26の3億ドルの資金調達は、欧州のフィンテック企業のプライベート・エクイティ調達額としては史上最大だ。

今回の同社のシリーズD資金調達は、ニューヨーク本拠のInsight Venture Partnersが主導し、既存出資元のテンセントやピーター・ティールが率いるValar Venturesも参加した。

N26は現在、24カ国で5言語に対応しており、700名を雇用している。同社は昨年10月に、英国でのサービス立ち上げも宣言していた。デジタル銀行分野では貸付から利益を得るMonzoやStarlingらに対し、収益性の疑念が高まる一方で、N26は競合のRevolutと同じサブスクリプション型のビジネスモデルをとっている。

N26はベーシックアカウントを無料で提供するが、海外で高額をATMから引き出し可能なBlackや、Metalカードの発行は有料だ。有料会員には海外旅行保険やWeWorkを無料で利用できる特典が提供される。

米国進出には「高いハードル」も

「ユーザーの平均年齢は31歳で、預り金額は先日、10億ユーロ(約1250億円)を突破した」とWeberは述べた。利用者の多くは既存の銀行ではなく、N26をメインバンクとして用いるようになっている。

一方で、銀行口座のポータビリティ制度ともいえる、当座預金のスイッチングサービス(Current Account Switching Service)を2013年に導入したイギリスでは、2018年の第2四半期に2702名が、メインバンクを英国の銀行アプリMonzoに切り替えたとのデータもある。

しかし、金融の規制環境が異なる米国への進出は、決して容易ではない。これまで米国市場で成功を収めた欧州のフィンテック企業は、ほぼ皆無となっている。欧州最大規模のフィンテック企業となったN26が、果たして米国に食い込めるかどうかに注目したい。

編集=上田裕資

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