過去に捉われず変化する 平成は「女性の時代」だったのかもしれない

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美容業界のリーディングカンパニーである資生堂が昨年、とても面白い映像を発表している。平成30年間のビューティトレンドを、美容とファッションを軸に5つに分けて楽しく見せたものだ。「資生堂」と「平成」の2ワードでYouTubeで検索できるのでぜひご覧いただきたい。

平成元年は、「#ボディコン」「#ワンレン」がキーワードで、思えば遠い昔にも感じる。完全にひと世代前の懐かしさを抱きながら、映像に見入ってしまう。

その後、「#細眉」「#ガングロ」「ジェルネイル」「#つけまつ毛」「#癒し系」「#巻き髪」、そして「#シースルーバング」「#赤リップ」と続く。



フォーブスの読者の多くは男性と聞いている。このような美容関連のコラムも他になく一部内容が難しいファッション専門用語のように聞こえるかもしれないが、映像に映るのはこの30年間で、女性のビューティトレンドがこれだけ変化しているという軌跡であり、今現在は、それら変化の「歴史的結果」でもある。

それに対し男性は、例えば「眉の形」ひとつでも、果たして変わったのだろうか? 前髪は? ネイルは? 美容でなくファッションは変わったのか? ネクタイの新しい結び方が生まれたりしただろうか?

おそらく男女共通して変化があったのは、ブリーチやカラーリングくらいだろう。いまではようやく、男性の茶髪もそれほど珍しい光景ではなくなり、オフィスビルでも普通に見かけるようになった。

女性が新しい市場を開拓してきた

カラーリングを除けば、日本の男性はいかにこの30年間を保守的に過ごし、その反面、同じ時間軸で女性がいかに時代の流れに敏感でありつづけ、自己表現がしてきたかがわかる。「女性の活躍」とか「女性起業家」のような文字を毎日のように見かけるが、そもそも平成の30年間に新しい文化や社会をつくってきたのは男性ではなく、実は多くの女性であるのかもしれない。
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文=朝吹 大 写真=Getty Images

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