過去に捉われず変化する 平成は「女性の時代」だったのかもしれない

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特に平成において、女性ユーザーが増えたことで、大型産業さえも変化し、成長してきた。

例えば、女性が楽しめるパソコンの色や機種が登場して、市場を拡大してきた。個人事業でスマホを活用し、世の中で人気も箔しているのは女性ではないだろうか? 男性人気ブロガーという職業は、女性に比べて圧倒的に少ない。IT以外でも、ゴルフやサッカーなどのスポーツでも女性のファン層は厚くなっているし、「山ガール」「カメラ女子」なんて言葉も生まれている。

「0の数」が半端ないイタリアの高級スーパーカーを運転する男性は、100%女性を横に乗せたくなるだろうし、車もカバンも宝石も、高い買い物は女性を中心に市場が動いている。



スイーツや美食、ホテルライフ、海外旅行なんて、まさに女性が元気に開拓している市場である。女性に特化したマーケィングでは、「His Story=ヒストリー」に語呂合わせした、「Her Story」という質の高い会社があるが、その企画などを見てみると、美容でも他業種でも参考になることが多い。

変化の主役は女性たちだった

平成という時代を顧みて、数多くの変化があったと思う。懐かしく甘酸っぱい思い出がいっぱいの人も多いだろう。インフラの変化も、ITの変化も、年末年始の特番でも取り上げられていた。

しかし、平成の大変化の主役はやはり女性ではなかろうか。女性の意識や行動の変化によって時代が変わり、市場が成長し、はたまた男性も変わってきたのではないだろうか。女性は、社会変化に対して敏感に、そして過去にとらわれず前進してきた。そのことが社会に変革を生み、日本人全体も成長させたように思う。

今から8年前、3.11の東日本大震災の直後に、被災地支援で現地入りした。屈強な漁師にも何人も会ったが、その多くが船を失くしたことでプライドを破壊されたのか、完全に意気消沈して廃人のようになっていた。しかしその周りで女性たちがたくましく鍋を拵えていた。変化に強く、時代を切り開くのは「女性」だと体感した記憶も新しい。

東京五輪後の社会が不透明だとか、マイナスなイメージの予測も多く聞く。しかし、そんなときにこそ、女性の力が重要であり、女性の活躍があってこそ時代が変化し、成長すると思う。女性が何を感じ取っているかを理解することは、混沌とした社会のキーワード発見につながる。先端のマーケティング情報は身の回りに溢れているということだ。カギとなるのはまさに、「Her Story」だろう。

ただ、そうは言っても、現実になぜか難しい。身近な女性の「ばっさり切った髪型」にも気付けないことも多い。となるとまずは、身近の女性の変化に気づくのが、時代を読み解く第一歩なのかもしれない。

連載:オトコが語る美容の世界
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文=朝吹 大 写真=Getty Images

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