IT業界で飛び交う「カタカナ」ワード、日本人は意味を理解してるのか?

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共通のゴールは、スピード&イノベーション

氾濫するキーワードは今後ももっと増えてくることが予想されますが、どれをとっても、「技術的にどれだけ優れているのか」ではなく、「企業にどのような事業的な価値をもたらしてくれるのか」が最も重要な要件である、と言えます。

昨今のキーワードを見て特に感じるのは、いずれも非常に明快で単純な事業的なゴールを目指している、という点です。具体的には、「スピード」と「イノベーション」の2つをもたらしてくれるための技術、と解釈すると非常に理解しやすくなります。

スピード

・早くものを作って市場に投入するスピード
・誰よりも早く新しい事業で収益を上げる
・顧客の要望をいち早く吸収し、対応する
・障害を迅速に解決し、顧客満足度を高める
・同じ時間内に多くのソリューションを生産する
・それによりコストを大幅に削減する

イノベーション

・今までに技術的にできなかったビジネスを実現する
・今までにコスト面で見合わず、断念していたビジネスを実現する
・企業内の文化を大幅に改善し、喜びに満ちた労働環境にする
・今まで採用できなかった人材を企業に登用する
・全く新しい業界に参入する
・Disruptiveな新ビジネスに真っ向から対抗し、勝つ

日本国内での新技術の採用は、キーワードが先行して市場に登場する傾向が高いため、技術的な評価(機能セット、性能、導入事例)をベースに、企業のエンジニア層がボトムアップ方式で、導入の可否を判断しているケースが多く見られます。意外と一番最後にその存在を知るのが企業のCxO陣営だった……なんてこともあるのです。



上記の2つのゴール(スピードとイノベーション)は、まさに経営者が考え、投資判断の材料にするべき、事業的価値を定量的/定性的に測る指標だと考えます。

このトップダウン的な事業的価値やゴールが、ボトムアップで上がってくる技術的な評価と一致して初めて、企業として新技術に投資すべきかどうかの判断を下すべきなのです。

文=鈴木いっぺい

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