今年こそ起業すべき? 事業立ち上げを迷っている人へ

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新年を迎え、今年の抱負を決める時期がやってきた。変化の予感にワクワクする時期だ。2019年1月前半にある今、私たちの周囲には、これから新たに始まることや、今までの方向性を変化させるチャンスが渦を巻いている。

皆さんの中には、起業したいと考えながらもまだ実行に移していない人がいるだろう。そうした人は今、安定・安心の大企業など、“安全な”環境で働いているのかもしれない。

しかし実は、起業家は常に隠れた葛藤を抱えているものだ。起業家の人、あるいは起業したい人であれば、心当たりがあるはずだ。他の人の仕事を見て「自分ならもっとうまくできるはず」とささやく声が聞こえ、「自分がこれを任されていたら」という疑問が頻繁に頭に浮かぶ。安全地帯の端に立ち自分のビジネスを開始しない限り、どんなに多くのことを達成し、賞を取ったり認められたりしても、少なくとも若干の居心地の悪さを感じ、満たされない生活を送っている。

人々の中には起業家向けの性格タイプを持った人がいるという考え方もある。こうした人は、他とは非常に違った世界を見ている。熱心で行動力があり、活気に満ちあふれ、一般的な学校になじめなかった人が多い。そして、どうすればプロセスを改善できるかについて常に考えている。

時にはリチャード・ブランソンのように、失読症などの障壁を克服し、成功する人もいる。ブランソンは、欧州で屈指の大富豪になった後でさえ、自身の財務状況をまとめた文書を読めなかった時のことを語る。事業を立ち上げた数年後、ある役員会議で部下の一人がブランソンを脇へ呼び、純利益の意味を説明するために海の絵を描いた。その真ん中には、多くの魚が入った網が描かれた。海が総収入で、網は売り上げの海から得られる純利益を示していた。こうしてブランソンは純利益を理解した。

私がこの話で興味深いと思ったのは、ブランソンが全てを知らずして非常に大きな成功を収めたことだ。ブランソンは、自分が知らないことがあっても、大きな一歩を踏み出す決断をためらうことはなかった。これもまた、リスクを取らないタイプの人には説明するのが難しい起業家の特徴の一つだ。リスクをできる限り最小化した上で、全てを知ることは絶対にできないこと、不測の事態を全てなくすことはできないことを理解した上で、大きな一歩を踏み出す。

ブランソンは長い間、自分を出来損ないだと思っていた。社会からそう教えられたのだ。学校での成績は悪く、校長からは最後の登校日に、あなたは将来刑務所に入るか、億万長者になるかのどちらかだろうと言われた。こうした多難な子ども時代にもかかわらず、ブランソンは世界を自分自身の方法で変えることができた。
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編集=遠藤宗生

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