ビジネス

2019.01.12

20代限定の経営塾で自らも学ぶ日々|リデル 福田晃一

リデル代表取締役CEO 福田晃一

インフルエンサーマーケティングを主力事業としたサービスなど、個人の可能性を支援するリデル。社長の福田晃一氏に、プライベート返上で夢中になっているものについて聞いた。


フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのソーシャルメディアにおいて強い影響力のあるインフルエンサーを活用し、消費者の購買行動を刺激する「インフルエンサーマーケティング」がいま注目されています。弊社リデルは現在、そのインフルエンサーと企業をつなぐマッチングプラットフォーム「SPIRIT」、ソーシャルメディアクリエイティブやプロデュースを行う「PRST」などを運営しています。
 
もともと共同代表だった別会社の一部事業として創業し、2016年に独立。3名でスタートした会社が20名まで増えたとき、「魚は水槽の大きさに合わせて成長する」と、思い切って50坪から200坪の広さへと移転しました。
 
目指したのは、企業の方々やインフルエンサーたちの五感に訴えかけるオフィスづくりです。場というのは企業の顔なので、事業コンセプトをきちんとPRできるオフィスをつくったほうが営業ひとり雇うよりも費用対効果が高いと考えます。おかげさまで社員数は約60名に増えました。 
 
一方で、社員とのコミュニケーションは、人が増えるほど希薄になります。そこで今年7月から、近所の居酒屋の利用を社員無料とする福利厚生を始めました。食事をしながらの雑談や無駄話は、コミュニケーションに有効なだけでなく、互いの素質や嗜好性を理解したり、仕事のアイデアにつながったりして、非常に有意義です。ただし、社員の平均年齢は26歳。みんな体力気力が充分で、朝まで激論が続くことも。自分はなかなかついていけません(笑)。

仕事以外で夢中なのは経営塾です。20代の若手経営者を10人ほど集め、1年間をかけて学んでいます。この経営塾は尊敬する2つ下の友人と「完成された仕組みが強い日本でイノベーションを起こすにはどうしたらいいか」を考え、次世代に僕らなりの理想や思想を継承していこうと思って始めたものです。

「組織とは何か」「人材育成はどうすべきか」「己が描くリーダー像とは?」など、月に1回の課題についてとことん話し合い、共通言語や意識を共有していきます。こちらが一方的に教えるだけでなく、若手経営者から僕らが学ぶことも非常に多くて刺激になりますね。
 
変化は本当に劇的で。横文字を並べたような上辺だけの言葉が、1年で本質を深掘りすることによって、見違えるように変わります。いま3期生を教えているので、合計約30人。10年続ければ、100人の優良経営者が育つ。その100人の一人ひとりが力をつけ、リレーションを持ったら、日本を本当に変えられるかもしれません。
 
若手に伝えたいことですか? やはりアイデアを実現するために歴史を知らなければいけないということでしょうか。

例えば「新しいスポーツアプリをつくってスポーツの世界に革命を起こしたい」という若者がいたとして、そもそもスポーツとは何ぞや?ということ。対象の物・分野の歴史や構造がわかり、分解ができて、初めて再構築ができるわけですから。歴史を知る、本質を知る、それらを共有する人脈を太くする。経営塾がそういう場になれば僕もすごく嬉しいです。
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構成=堀 香織 写真=yOU(河崎夕子)

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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