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HRマネジメントの新潮流


「信頼関係」を基盤にした今後のHRマネジメントの方向性

では、「信頼性」を基盤にした関係であればどうでしょうか。エントリー時の採用活動は、目的が「いま採用(契約)するかどうか」という狭義な発想ではなく、「長期的に信頼関係をつくれそうか」になります。目的が変われば、当然活動内容は変わります。

また、入社した後も、定期的に役割や動機について、お互いに腹落ちする時間を多く持つことも重要になります。目標そのものというよりも、目標に対する「腹落ち」をどうつくっていくかということです。

かつての終身雇用では、入社後に定期的に関係性を見直す、あるいは再考するという発想が希薄でした。そのため、決められたルール(予算、働き方、評価や報酬など)に沿って働くことが普通です。「信頼」というのは双方が積み上げていくものだとすれば、「終身雇用」だとしても、実態としては「短中期雇用の保障」と「提供価値」の「連続的な積み重ね」になります。

お互いがしっかりと信頼関係を積み上げていき、それでも自社以外で活動の場を設けたほうがいい、という場合は「退職」となりますが、それと関係性が途切れることは同義ではありません。退職後も、仕事や人材の紹介をしたり、あるいは再雇用ということも珍しくなくなりました。

退職時にも、形式的な手続きだけではなく、今後の関係性についてしっかりとコミュニケーションを取ることは有益です。先程紹介した『ALLIANCE アライアンス』にも、企業の卒業生たちとどのように関係性を築いていくのか紹介されています。

ここまで読んで、何言ってるのかわかんねぇな、と思った方。正しい(ぼくもそう思う)。なので、こちらも図にしておきます。ざっくり言えば、インターナルなコミュニティに加えて、ゆるくつながるコミュニティもHRのマネジメント対象になり、双方に影響しあって別の形になりそうだね、ということです。



いずれにしても、これまでのHRマネジメントのように、契約の有無によって関係性が途切れるということを前提とせず、誰と信頼関係を構築し続けるのか、という発想で人と企業の関係性を考えるのが、今後のHRマネジメントには有意義ではないでしょうか。

「従業員の幸せが大事」と耳障りがいい事を言うのは簡単です。口ではそんなことを言っていても、従業員の報償は変えずに自分の報酬だけを内密に爆上げしている言行不一致な経営者もいます。

2019年は、本気でHRマネジメントをアップデートしようと思っている会社(あるいはもう取り組んでいる会社)がますます伸びると思いますし、対等で気持ちのいい関係性から生み出される価値が世界を変えていくと信じてます。

文=佐野一機

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