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2019.01.11

中国の美団点評、NVIDIAらと提携で「出前ロボット」実用化へ

美団点評のデリバリー車両(Photo credit should read Feature China / Barcroft Images / Barcroft Media via Getty Images)

中国の食品出前プラットフォームの「美団点評(Meituan-Dianping)」が、フランスや米国の大手企業と戦略的パートナーシップを結び、自動運転ロボを活用したデリバリーを開始しようとしている。

米ラスベガスの家電見本市、CESの開催初日の1月8日に美団点評は、エヌビディア(NVIDIA)を初め、フランスのヴァレオ(Valeo)やイタリアのイーコナ(Icona)と提携を結んだとアナウンスした。

エヌビディアは半導体やAIコンピューティングをリードする企業であり、ヴァレオは世界の自動車メーカーを顧客に持つ部品サプライヤーだ。また、イーコナは自動車デザインの有力企業だ。

美団のシニアVPのWang Puzhongは声明で「中国におけるフードデリバリー需要の高まりのなかで、当社のプラットフォームは配送の自動化テクノロジーを推進していく」と述べた。「パートナー企業と協力し、美団は自動配送技術の大規模な商用利用を中国国内及び、世界に展開していく」

ヴァレオは美団の自動デリバリー車両に、エンジンやセンサーなどの部品を提供する。エヌビディアは美団の車両の技術的サポートを行い、R&Dやテストオペレーションを支援する。さらに、イーコナはデリバリーロボットのデザインを担当するという。

美団のチーフサイエンティストのXia Huaxiaは「デリバリーロボットの導入にあたっては、単に技術的課題を解決するだけでなく、パートナー企業とともにバリューチェーンを構築していく必要がある」と述べた。「今回の国際的パートナーシップの目標は、当社の配送プラットフォームをオープン化し、業界全体にメリットを与えることだ」

美団によると、同社はこれまでビッグデータやAI(人工知能)などの先端テクノロジーを活用し、デリバリーソリューションの開発を進めてきたという。北京に本拠を置く同社は、既に北京のラッフルズシティや、河北省の「第2の深セン」と呼ばれる雄安新区、深センのレノボビル周辺でトライアルを実施している。

美団は今回初めてCESで展示を行い、AIを活用したデリバリーシステムの「Meituan Autonomous Delivery (MAD)」や、配送とエンタメ分野における世界最大のナレッジマップの構築を目指すプロジェクト「Meituan Brain」を披露した。会場で美団は、MADのソリューションを活用したデリバリーロボットのデモも行った。

中国の2800以上の都市でオペレーションを行う美団は、ビリオネアのWang Xingが率いている。同社の競合としては、アリババ傘下のフードデリバリー企業の「ウーラマ(Ele.me)」が知られている。

編集=上田裕資

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