ビジネス

2019.01.15

中国テック業界の次世代を担う「TMD + X」と呼ばれる企業群

Mmaxer / shutterstock

中国のテクノロジー業界はこれまで「BAT」と総称される、バイドゥ、アリババ、テンセントの3社が覇権を握ってきた。アリババとテンセントの2社が決済をはじめ様々な分野で拮抗する一方で、バイドゥは特にAI(人工知能)への投資を活発化させてきた。

そして、2019年を迎えた今、今後の新たなトレンドを作る企業として注目なのが「TMD + X」と呼ばれる比較的若い企業たちだ。

TMDはニュースサイトのToutiao(今日頭条)とフードデリバリーのMeituan(美団)、配車サービスのDidi(滴滴)の3社の頭文字で、ここにシャオミ(小米、Xiaomi)のXを加えて、TMD + X と呼ばれている。

アップル製品のコピーから始まったシャオミは、今ではインドのスマホ市場でトップのメーカーとなり、スマート家電にも注力を深めている。フードデリバリーから始動し、レストランや映画の予約までを手がける美団点評は、「フード+プラットフォーム」戦略でアリババを追撃している。

また、ニュースアプリの今日頭条で急浮上した北京本拠のバイトダンスは、動画アプリ「TikTok」で世界を席巻し、年内にIPOを計画中とも噂されている。さらに、格安Eコマースで急成長した「Pinduoduo(拼多多)」も今後、アリババを脅かす存在になるかもしれない。

一方で、経営危機にあえぐ自転車シェアのofoに関しては、アリババに買収されるとの見方も浮上中だ。

中国のテック企業らは今後も、AIやEV(電気自動車)、モバイルコミュニケーション分野でシリコンバレーをライバルと見据え、独自のイノベーションを進化させていくだろう。米中の貿易摩擦の懸念の高まりをうけ、米国のテック分野への投資は注意深く行われることになる。

中国企業らは政府の支援も受けて、世界のイノベーションのリーダーになろうとしている。一方で米国のテック企業大手は、一部の例外をのぞいて、今後も中国市場への進出に苦戦する見通しだ。中国では既に様々な領域で、現地の大手企業が市場のリーダーシップを握っている。

編集=上田裕資

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