ネットフリックス映画「バード・ボックス」 米国で2600万人が視聴

主演のサンドラ・ブロック(Photo by Isa Foltin/WireImage)

ネットフリックスのオリジナル映画「バード・ボックス」が、空前の大ヒットとなっている。同社はこの作品の初週の視聴アカウント数が、映画作品の史上最高記録を達成したとアナウンスしたが、ニールセンの調査でもこの作品が記録的視聴率を達成したことが裏づけられた。

ニールセンは「バード・ボックス」の公開初週(12月21〜27日)の米国での視聴者数が、2600万人に達したと報告した。この数値は、ネットフリックスが発表した視聴アカウント数(4500万アカウント)に比べると大幅に少ないが、これまでの最高記録だった「ブライト」の初週記録の2000万人を大きく上回っている。

ニールセンの集計は、米国外の視聴者数を除外しており、モバイルやタブレット、ラップトップからの視聴数もカウントしていない。ネットフリックスが発表した数値との差は、この集計方法の違いにありそうだ。

ニールセンによると「バード・ボックス」は米国で公開後の10日間で、1日平均400万人に観られたという。また、視聴率がピークに達したのは公開から8日目とされており、ホリデーシーズンに作品をリリースしたこともヒットの要因となったことを示している。

ネットフリックスのデータによると、ドラマ作品も含めた統計では「バードボックス」の初週の視聴アカウント数は、「ストレンジャー・シングス」のシーズン2に次ぐ成績となっていた。

この作品をまだ観ていない人も、恐らくその噂は知っているだろう。「バードボックス」は公開の数日後から、インターネットを中心に大きな話題となり、映画の枠を超えた社会現象を巻き起こした。

サンドラ・ブロック主演の「バード・ボックス」は、人類を死に追いやる謎の生命体が猛威を振るう近未来を舞台としている。人々はその生命体の姿を見ると自殺してしまうため、屋内に閉じこもって暮らし、屋外では常に目隠しをした状態で行動する。

この映画を真似て、目隠しをして室内や外を歩き回る「バード・ボックス・チャレンジ」と呼ばれる行為がネット上で広まり、ネットフリックスは人々に危険な行為をやめるよう呼びかけたほどだ。

一部のユーザーはネットフリックスが発表した「4500万アカウントによる視聴」を、通常の映画の興行収入に換算した。1アカウントによる視聴が10ドルの映画チケットと同等の価値だとすると、「バード・ボックス」は1週間で最低4億5000万ドル(約486億円)の興行収入をあげたことになる。

ネットフリックスの映画は一般の映画作品に比べると、短期間で少ない予算で製作されているが、この実績は大手映画会社の作品に匹敵するものといえる。「バード・ボックス」は現代の消費者の、映画の楽しみ方の変化を示す作品の一例ともいえる。

編集=上田裕資

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