「長年続いてきたドラッグをめぐる論争に終止符を打ち、米国は大麻の合法化を推進すべきだ」とハリスは1月8日に発売した著書で述べた。
大麻の合法化推進はここ数年、米国においてメインストリームの動きとなった。中でも民主党議員の間で、合法化支持の声は高まっている。
「大麻を合法化して適切な規制の管理下に置くべきだ」とハリスは述べ、大麻の取り締まり現場に人種的偏見が関わっている事を指摘した。「数百万人に及ぶ人々が、被害者のいない犯罪を理由に逮捕されている。当局はこれらの記録を抹消し、彼らを過去から解放すべきだ」とハリスは著書に記した。
米国の連邦レベルで大麻は、スケジュール1の規制薬物に指定されているため、その使用がどのような影響を人々に与えるかの正式な研究は進んでいない。大麻の影響下で運転を行うことは危険だとの見方もあるが、呼気から大麻使用を検知するような信頼性の高いデバイスも存在しない。
ハリスはまた、薬物依存を「公共の安全に対する脅威」として捉えるのではなく、健康問題に位置づけるべきだと主張する「薬物依存を犯罪とみなすことで、状況がさらに悪化している」と彼女は述べている。
かつてカリフォルニア州の州司法長官を務めたハリスは、2016年に同州で実施された大麻の合法化に向けた住民投票からは距離を置いていた。しかし、彼女は軽犯罪者を刑務所に収監しない、司法システム改革プログラムの「Smart On Crime」を率いてきた。
ハリスは2018年、民主党の支持者の間で大麻合法化支持の声が高まるなかで、大麻の合法化を推進するスタンスを明確にし、5月には大麻使用を禁止した連邦法の改正を目指す「Marijuana Justice Act」(大麻公正法)の共同提案者に加わった。
「米国では多くの人々が大麻の使用が原因で逮捕され、起訴され、刑務所に送られている。この状況を変えなければならない」とハリスは当時、述べていた。
ハリス以外にも、民主党から大統領選に出馬を表明した議員の多くが、大麻合法化のポリシーを掲げている。先日、出馬に向けた準備委員会を立ち上げたマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員も、大麻合法化のスタンスを掲げている。