面積およそ2140平方メートル、300人近い従業員らが働く同店では、コーヒーの入れ方を7種類の異なる方法から選ぶことができる。焙煎されるコーヒーの香りが立ち上る店内では、イタリアのベーカリー、プリンチの焼き立てのパンを使った食事を楽しむこともできる。また、夜間の集客を狙い、上階にはバーも併設されている。
その新店舗のオープンから数週間がたった今月7日、米紙ウォ―ル・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)は「リザーブ」と「リザーブ ロースタリー」を合わせて1000店舗以上開設するとした当初の計画を再考中だと報じた。
スタバはシアトルに最初のロースタリーをオープンした後、昨年までに上海とミラノ、そしてニューヨークの各店を開業した。だが、リザーブに関する構想には落胆の兆しが見られる。WSJの記事によれば、ジョンソンは「1000店舗は願望だった」と述べている。
現実にそぐわない「シュルツの夢」
気まぐれな消費者を呼び戻す方法として考え出されたリザーブは、スタバがそれまでのコーヒーショップでの経験をより高められたものに変えたのと同様に、従来のスタバの店舗での経験を、新たな高みに引き上げることを目指したものだ。
スタバは刺激を必要としていた。南北アメリカでの既存店売上高の伸びは2014年の6%から、2018年にはわずか2%にまで縮小している。
2016年にリザーブに関する計画を発表したとき、ハワード・シュルツCEO(当時)は、それが「われわれが提供する顧客経験をより幅広く、深く、高められたものに変え、わが社にとって前例のない世界的な成長機会をもたらすものとなる」と明言した。
シュルツはこのとき、世界中に少なくとも20店舗のロースタリーを開店すること、2019年だけでも6店舗を設置することを目標とした。一方、ジョンソンCEOは現在、リザーブを6~10店舗オープンし、その後の開業が可能なだけの利益を上げられるか試す考えを示している。