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2019.01.17 12:30

社員15人で売上げ約20億、スイス高級時計ブランドの気骨

1978年に放映された日本SFアニメ「キャプテンフューチャー」から発想したという、MB&F社HM(ホロロジカル・マシーン)6 「スペースパイレーツ」。

2018年3月、サザビーズで16万2500ドル(約1850万円)で落札されて話題を呼んだHM6限定エディション・ピンクゴールド(limited edition in pink gold)は、まさに「時を刻むアート作品」だ。

米フォーブスによれば、メーカーであるマクシミリアン・ブッサー&フレンズ(MB&F)の創業者マクシミリアン・ブサーは31歳でハリー・ウィンストンの時計部門のプロダクトマネジャーに抜擢され、7年間で売上げを800万ドルから8000万ドルにした男だ。

その後自らの会社「MB&F」を友人たちと立ち上げると、「伝統的な時計製造の考え方をいったん去り、時間を刻むキネティックアート(機械じかけのアート作品)としてそれを再構築することに挑んだ」。

少年時代のSFファンタジーにヒントを得たレトロフューチャーな時計(「スチームパンク・タイムピース」)を年に300本作り、当時15人の社員で実に1680万ドルを稼ぎ出したという。売上げ総利益率は35%。社内にブサー以外管理職はおらず、社員は全員「フレンズ」の扱いだ。

ブサーは言う。「中間管理職は、クリエイティビティにとっての最大の敵の一つだ──彼らの職務は『冒険しない』ことだから」

デザインに300時間 6世代目は約1850万円で落札

MB&F社のシグニチャー的な一品「HM(ホロロジカル・マシーン)1」を生むにあたって、ブサーと、彼とともにハリー・ウィンストンから独立した友人はデザインだけになんと300時間を費やした。そして2018年11月、中東初、ドバイで開催されたサザビーズの腕時計オークションで「HM6 限定エディション・ピンクゴールド」が16万2500ドル(約1850万円)で落札された

ちなみにこのHM6の発想の元になったのは、1978年11月から翌年12月まで、NHK総合で『未来少年コナン』に続くテレビアニメーションシリーズとして放映された日本SFアニメ、「キャプテンフューチャー」だった。


2016年に初パッケージ化され、発売中のBlu-ray BOX「キャプテンフューチャー」(初回生産限定・写真はVOL.1の描き下ろしアウターケース。 発売元:東映アニメーション・東映ビデオ 販売元:東映)。
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文=石井節子 写真=MB&F/Forbes US/東映ビデオ提供

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