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自動車からエンジンが失われてデザインの自由度ははるかに高くなった、根強く残るカーデザインの記号性とのせめぎあいから、新たな車が生まれる。

PORSCHE:ポルシェの先進性を象徴するフル電動スポーツカー


創業から70周年となる2018年、ポルシェは大きな決断をした。ポルシェ初のフル電動スポーツカーの名前を「タイカン(Taycan)」とし、2025年までに50%のモデルを電動化すると宣言した。車名の意味するところは、「生気あふれる若馬」であり、ポルシェのバッジとなる“クレスト”の中心にある馬に基づくのは言うまでもない。

前後に2基の電気モーターを積んで4輪を駆動し、最大で600ps超の出力を発揮する。1回の充電で500kmの走行をこなし、停止から100km/hまでを3.5秒以下で駆け抜ける。パワフルで高い信頼性と走行性能を兼ね備えたるポルシェらしい電動スポーツカーだ。 

伝統と革新を融合させた電動スポーツカーの歴史を築くという決心は、エクステリア・デザインにも現れている。フラットでプレーンなフロントマスクは「918 スパイダー」から、力強く盛り上がったフロントフェンダーは「911」から引用されており、ポルシェ一族であることを主張する。

4灯式マトリックスLEDヘッドランプの採用で、フロントフェンダーを力強く盛り上げるといったデザインが可能になった。フロントに大きなエンジンを搭載しないため、フロントマスクのデザインの自由度が高いからだ。新型「911」とも共通するストレートな造形のリアランプは、充電中に点滅する電動モデルならではの演出も施されている。

もちろん、一つひとつのデザインは、高い走行性能に結びつく意味を持つ。これこそが、「形態が機能に従う」というポルシェの理念の継承である。 

旧来の自動車ファンの中には、「ポルシェまでもが電動化するのか...」と嘆く声も聞こえなくはないが、電動化を避けられない未来と仮定し、次世代のスポーツカー・ブランドとは何か?を考え抜き、電動化時代におけるドライビング・プレジャーを提供することこそ、先進性を重視するスポーツカー・ブランドの責務とも言える。


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文=川端由美

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