このSUVは、もはやスポーツカーである──アルファロメオ ステルヴィオ

高級車におけるモダンなデザインとは? そのスタイリングが示すものは?電動化時代の新たな潮流を視野にいれながらも、変わらない洗練で魅せる。

ALFA ROMEO:このSUVは、もはやスポーツカーである


2018年7月、ついにあのアルファロメオ初のSUV「ステルヴィオ」が日本で発売された。

アルファロメオといえば、創業1年目からレースに参戦したイタリアを代表するスポーツカーメーカー。ミラノの市章である白地に赤の十字とヴィスコンティ家の大蛇をもとにデザインされたエンブレムに特徴的な三角形のフロントグリルが印象的で、そのデザインに惹かれるファンも数多い。

アルファロメオだけに、どんなSUVなのかが注目されたが、やはり走りに重心がかかった仕様になっている。「ステルヴィオ」という名もイタリア北部のアルプス山中にある「ステルヴィオ峠」に由来。近年は「ジュリア」や「ジュリエッタ」など人の名がつけられたモデルが多いなか、一層走りにこだわった意気込みが伝わってくる。 

その証拠に17年には「ステルヴィオクアドリフォリオ」がニュルブルリンク北コースで、7分51秒7というSUV 最速ラップを記録している。

そのデザインは「ジュリア」のSUVバージョンともいうべきもので、高級SUVとしては、ややコンパクトなサイズながらダイナミックさとイタリアらしい上質感が感じられる。もちろん、特徴的でひとめでアルファロメオであることを感じさせるフロントグリルも健在だ。 

走りを重視したと聞けば気になるのがエンジン。「ステルヴィオ」では動力にはアルミニウム製エンジンが2種類用意されている。2.0リットル直4ターボと2.9リットルV6ツインターボで、これに8ATが組み合わされるのだ。 

インテリアもラグジュアリー感のある本革シートに最新のインターフェイスなどが配備され、快適な空間を演出している。ドライバーズシートに座ると、まるで高級スポーツカーを運転しているような錯覚に陥る。SUVの需要が高まる今日、「ステルヴィオ」はスポーツカーと捉えてもいいのではないだろうか。


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#6|いよいよEVブランドへ進化。居心地と使いやすさの両立を実現──ボルボ ポールスター1
#7|このSUVは、もはやスポーツカーである──アルファロメオ ステルヴィオ
#8|「魂動デザイン」の新境地、真の美しさを問う──Mazda3
#9|ポルシェ一族の先進性を象徴。次世代の電動スポーツカー

文=福留亮二

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変えるデザイナー39」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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