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0歳からの「お金の話」

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子どもはたまに、大人を驚かすような発言をすることがある。時として生意気に感じたり、こんなに成長したのかと嬉しく思ったり、基本的には親としての感情が先に来るのだが、ふと考え直すとすごく気づかされる内容のものが多い。

子どもは大人に比べて知識や経験が少ない分、無意識のうちに大人の方が賢いと思い込みがちだが、実は子どもの方が直感的に物事の本質を把握しているように感じる。この能力はお金にも関係がある。株式投資においても様々な投資方法が溢れているが、筆者は、企業の本質的な価値を見抜くことこそが真に求められる能力だと考えているからだ。

子どもは本質を見抜いている

銭洗弁天をご存知だろうか。鎌倉にある金運アップで知られている神社で、「銭洗水」と呼ばれる水で持参した硬貨を洗うとお金が増えると信じられている。舞台はその銭洗弁天である。

これは筆者の知人の話だが、小学1年生の娘にこれまで貯めていたお小遣いを持たせて、一緒に銭洗弁天に行ったそうだ。銭洗水の入っている石箱の前に来た時、子どもに自分の持っている硬貨を洗うように言ったところ、親のお金を洗いたいと言い出した。

なぜ自分のお金を洗わないのかと聞いたところ、「親の仕事がもっと順調に進み、親のお金が増えた方が、結果的に自分のお小遣いも増えると思う」と答えたという。

その話を聞いた時、小学1年生でもそんな事を言うのかと感心したが、少し経ってから、とても本質を見抜いているなと気がついた。たしかに、現時点では子どもにとって「お金はもらうもの」であり、仕事をして給料をもらったり、投資をして増やしたりという選択肢がない以上、財源である親が潤うことが結果としてお小遣いアップにつながる可能性が最も高い選択肢になる。

目的と過程を分けて考える

続いて紹介するのは筆者の実体験である。筆者は大学時代に進学塾で講師のアルバイトをして、主に中学の数学を教えていた。ある日、小学生の算数講師が休むことになり、数学を担当していた筆者に代講の依頼がきた。おそらく数学を教えているから算数も教えられると考えたのだろう。

個人的に、数学より算数の方が教えるのが難しいと思っていたため不安だったが、授業で扱う範囲を確認し、問題がなさそうだったので引き受けることにした。

授業は全く問題なく進んだ。だが、クラスの中に算数が異様に得意な子がいて、その子の指摘に、また驚かされた。

それは、三角形の面積を求める問題についてだった。解法のポイントは補助線が正確に引けるかどうか、相似の概念を活用できるかどうかの2点であったが、その生徒の引いた補助線は想像を超えていたのだ。進学塾は、テストで効率良く高得点を取らせることを目的とするため、解を出す最も効率的な方法論を教え、あとは演習量で徹底的に叩き込むというスタイルが一般だ。だが、それ故にこの様な自由な発想を膨らませる力が付きにくい。

その子の引いた補助線は、目的にばかり目を向けることで、過程の中で考えたり、自由に発想を膨らませることを忘れていることに気づかせてくれた。

文=森永康平

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