UMGはアリアナ・グランデやザ・ビートルズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、ジェイ・Z、ピンク・フロイド、クイーンやU2などの有名アーティストの楽曲の権利を保有する。同社はフランスのメディア企業「ヴィヴェンディ(Vivendi)」の傘下にあるが、ヴィヴェンディの企業価値は283億ドルで、UMGの価値をわずかに下回っている。
ヴィヴェンディは昨年7月、UMGの株式の半分を売却する用意を進めていると述べた。ドイツ銀行のアナリストは、UMGは今後のストリーミング市場の成長で、さらに企業価値を高めていくと見込んでおり、同社の株式にはかなりの高値がつきそうだ。
UMGはソニーミュージックやワーナーミュージックと共に、スポティファイの株式を保有しており、テック業界大手も株の取得に関心を示している。
ドイツ銀行によると、買い手候補にはアリババやテンセント、アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルらがあがっているという。しかし、これらの企業による買収は、独占禁止法の観点から当局の規制を受ける可能性もある。
そんな中、有力候補とされるのがF1のフォーミュラ・ワングループや衛星ラジオのシリウスを傘下に持つリバティ・メディア(Liberty Media)だ。仮にこの買収が成立すれば、リバティ・メディアがソニーやワーナーを上回る規模の、音楽エンタテインメント企業になる可能性もある。