深センのリアルなキャリア事情


「働き方も合理的でスピーディー、各自が主体性とプロ意識を持って行動していますね。オンオフの切替えも上手、会社で朝・昼・夜と食事が提供されますが、夕食を食べて、定時でとっとと帰る人も結構います(笑)」

合理的にすすめられる仕事の多さやスピーディーさに戸惑いも大きく、連絡漏れなどのミスをすることもあった。その不安から立ち止まってしまったMamiさんを同僚の一言が大きく変えた。

「あなたは色々と抱え過ぎじゃない? やるべき事も大事だけど、やりたい事を明確化して、優先順位を付ければ良いと思うよ」とアドバイスをもらった時、それで良いんだと救われたそうだ。そう話す彼女に、暖かい仲間と素敵な企業風土を素直に感じた。

STEAM教育を世界に広めたい

素敵な女性が沢山活躍しているメイクブロック。そんな女性社員を束ねているリーダーとも出会うことが出来た。

中国人女性のLunittaさんは、深セン本社で、グローバル市場に関する全てのマーケティングコミュニケーションを統括しているIMC Director。現在、部下は17人と束ねる。



大勢のメンバーを管理するのは大変じゃないかと私が質問すると、「私はコミュニケーションをとるのが専門だし、好きだから。この仕事は楽しいし、彼らにいつも助けてもらっているわ」と笑顔で答えてくれた。

メンバーの自主性を尊重するのが彼女のマネジメントスタイル。彼女の部下の一人であるPRマネージャーも取材に同席してくれていたが、そのPRマネージャーが私にLunittaさんとの取材を提案してくれたことからも、確かに部下自らの提案力の高さを感じた。

前職は大手通信会社ZTEでグローバルPRディレクターを担当。長期勤務の中で、確実にキャリアアップを実現してした。そのキャリアをリセットしてでも、何故、メイクブロックで新しいチャンレンジをしようと思ったのか?

「私は大学から深センにいて、もう20年近くになります。年々、この場所に新しい世代の若者が増えてきましたが、彼らは本当に優秀。彼らから学ぶ事が多くなりました。私には6歳の娘がいますが、当社の教育ロボットで楽しく遊び、成長する姿をみて、次世代を育てるSTEAM教育は大切だと感じ、世界に広めていきたいと思いました」

もう一つ決め手があったそうだ。「それに魅力的だったのは、ソフトバンクが日本のパートナーだったこと。ソフトバンクが提携をする企業であれば、今後更に成長するに違いないと思えたことも大きかったです」

そして1年以上、ここで働いてきて、ますます楽しさが増しているそう。STEAM教育の発祥である欧州、特にフランスでは、公立学校へのロボット導入率が60%を超えた。また、彼ら主催の2018年ロボットコンテスト世界大会には、世界中から300チームの子供達が参加してくれた。

「もちろん、全ての市場が重要ですが、今後は特にアジア市場に、このロボットを通じて親子で共に楽しめて成長出来るSTEAM教育を届けていきたいです」と、真っすぐに彼女は語ってくれた。プロとして、母として、女性リーダーとして活躍する彼女から、凛としたパワーを貰った瞬間だった。

やはりここには、人才力の高い人々が集まって、企業のグローバルな成長を牽引していると、この取材を通じて改めて実感した。そしてこのメイクブロックは、深センにおいて特別なケースではない。



個人的に人才力が高いと感じる人々には共通点が3つある。それは、向上心が高く、サバイバル能力があり、勉強熱心であること。そのアウトプットとして、語学力が高く、世界を舞台に挑戦し、そして何より目的遂行のためにとにかく努力する彼らは、愚痴を言わないのではないだろうかとも思ってしまう。

文=藤井 薫

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