ライフスタイル

2019.01.09 07:00

会食と市場の共通点 「人が集う」から共創が生まれる


集うと言えば、市場もまた集いです。農家さんや漁師さんによって運ばれてくる季節の食材を求めて人が集まり、活気が生まれ、人情が育まれます。

人と人との関わりで、閃きも生まれる

僕自身もそうですが、市場に行く人達は、何を買うか決めて行ってるわけではなく、市場で出ている食材を見て何を作るか考えてることが多いです。



まずは市場へ行き、そこで活気や会話を楽しみ、気づけば食材を購入して、何を作るか閃いている。これは、食材を通して自然や人と向き合っているからであって、便利で効率化されたスーパーでは難しい。無駄やムラばかりの市場だからこそ生まれるものです。

ちなみにフランスの場合、市場の土地は行政が提供していますが、人が集えばこそ、その屋外でも自然と不規則な集いが生まれます。そしてそこにもまた、多くの人が集まります。さらにその周りには飲食店が溢れているものですが、市場で農家にお勧めのお店を聞き、訪問すれば間違いなし。これが僕の旅先での楽しみ方です。



僕は旅先では必ず市場に訪問し、現地の食文化に触れ、歴史や風習を知ることを楽しみにしています。効率や便利さだけを追い求めるスーパーと違って、人情や活気のある市場では閃きや共創も生まれやすい。観光が伸びている日本でも市場が復興すれば、地方創生への近道になると思います。

人が集うと、必ず何かが生まれます。それが和気あいあいとした話し合いであれ真剣な議論であれ、共創とはそういうことではないかと思います。だから仕事でもプライベートでも会食が多い人が、やはり共創力に溢れていることが多いです。

一年の終わりと始まりは、忘年会、新年会と称して会食の多い時期。こうした集まりを大切にし、そこで分かち合い育むことこそが、人生をより豊かにし、ひいては人類の進化につながっていきます。そしてその際には、やはり「食」が欠かせないのです。

連載:喰い改めよ!!
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文=松嶋啓介

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