フォーブス ジャパン ウェブ編集部編集長

ドバイ政府観光・商務局のイサーム・カーゼィムCEO

ドバイが観光大国へ躍進を続けている。

マスターカードが毎年発表する、都市別の年間の訪問者数をまとめた「Global Destination Cities Index 2018」によると、2017年にドバイに1泊以上滞在した訪問客は1579万人にのぼり、バンコク、ロンドン、パリに続く4位だった。2018年はさらに5.5%の伸びを見込む。



ちなみに東京は8位で1193万人だ。

ドバイはまた、1泊以上滞在した訪問客が使った金額ランキングで1位となった。



ドバイ政府観光・商務局のイサーム・カーゼィムCEOがこのほど来日。エイチ・アイ・エスと「ドバイへの渡航促進に関する協力覚書」を締結した。今後、日本でのドバイの認知をさらに高め、渡航促進のキャンペーンを共同で実施する予定だ。

なぜドバイの観光が盛り上がっているのか。イサーム・カーゼィムCEOがForbes JAPAN編集部のインタビューに応じた。

ドバイ躍進の秘密は、徹底したマーケティングと、緻密なソーシャルリスニング力にあった──。消費者との向き合い方という点で、企業にとっても参考になるであろう、ドバイの知られざる戦略と具体的な施策をご紹介したい(以下、イサーム・カーゼィムCEO談)。


ドバイへの観光客数は、年々安定的な成長を続けています。2020年までに年間2000万人、2025年までに2500万人の目標を掲げています。戦略を掲げた2012年当時の訪問客は1000万人ですから、着実に成長しています。

9カ月で世界の3万人にヒアリング

「ツーリズム2020」戦略を発表した後、9カ月で世界の約3万人にインタビューをしました。なぜドバイが選ばれているのか、逆に選ばれていないのかということを理解するためです。なぜドバイを訪問したのか、乗り継ぎか、訪問か……など。そして分かったことは、ショッピングやホテルのサービスやクオリティ、ビーチについては知られているものの、逆にいうとその程度だったのです。

その結果を受け、アートや文化、伝統に焦点を当てていこうということになりました。それからリラグゼーションやスパだけではなく、バギーやスカイダイビングなど、アドベンチャーにも焦点を当て始めました。ショッピングでも、大手ブランドのお店だけではなく、スーク(市場)をアピールしました。スパイスマーケットやゴールド・スーク、テキスタイル、生地の市場もあります。グルメも、ドバイならではの素晴らしいレストランをPRしています。

多様なバックグラウンドだからできる、多様なアプローチ

ドバイは人口の80%がアラブ以外の方で、200以上の国籍の方が住んでいます。非常にミックスされた文化があり、多様なバックグラウンドの人々が日々平和に、調和を持って生活されているということがよく分かっていただけると思います。

どんなターゲットに、どんなアピールができるのかと考えました。友人同士の旅行に比べ、家族連れの旅行では子供の学校の休暇なども重要な要素です。旅行の予定を決めるにあたり、親はどのような要素を勘案するのか、また子どもに対してどのようなメッセージを送れば、子どもから親に対して「ドバイに行きたい」というアプローチをしてもらえるのか、そういったことを考え始めました。

文=林 亜季

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