アップルは以前の予測で売上高見通しを890億ドル〜930億ドルとしていたが、これを840億ドル(約8兆9800億円)へ引き下げた。クックは売上不振の原因が、iPhone XS/XS Maxの発売タイミングのずれや、為替市場における米ドル高の影響、いくつかの市場における経済成長の減速にあると述べた。
ブルームバーグのMark Gurman記者は1月3日のツイッターの投稿でティム・クックが1月4日に緊急の社内会議を開催すると述べている。クックはその場で、社員たちからの意見を募る意向だというが、アップルの現在の苦境が、クック自身が招いたものであることは明らかだ。
アップルはクックが指揮をとった8年間の間、iPhoneにわずか2つの大規模な刷新をもたらしただけだった。発売後の4世代に渡り継承されたiPhone 6と、2020年まで継承される見込みのiPhone Xの2モデルだ。
その他の機種としては、スティーブ・ジョブズが開発を指揮したiPhone 4シリーズにわずかな改変を加えたのみのiPhone 5や、iPhone Xを大型化させたPlus/Max/XRがあげられる。また、iPhone 5の背面をプラスチック製に変えたiPhone 5Cもあったが、さほどの評価は得られなかった。
一方で、競合メーカーはアップルを上回るペースで新たな製品を送り出した。アップルが2020年に発売するiPhoneの機能は、サムスンの2018年の端末に先取りされた。同社が誇らし気に披露したノッチは既に古びたものになり、中国の競合らは低価格ながらアップル製品を上回るクオリティの製品を市場に投入している。
アップルは端末の価格の引き上げに注力し、最上位モデルのiPhone XS Maxの米国での販売価格は1450ドルにも達している。これは、テック系サイトが選ぶ2018年のベスト機種に選ばれた、中国メーカーのOnePlusの6Tの3倍にも及ぶ価格だ。
一方でアップルのメッセージツールのiMessageも米国では高い利用率を誇るものの、南アメリカや欧州ではワッツアップにシェアを奪われている。また、アジアではWeChatが市場のリーダーになっている。