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ティム・クックが売上減少の大きな要因の一つとして、バッテリーの交換価格の引き下げをあげた点も興味深い。古い端末に新しいバッテリーを導入したユーザーは、最新モデルに興味を示さず、そのまま使い続けるのだ。アップルはかつて、旧機種のパフォーマンスを故意に低下させたことで非難を浴びており、同じ手法で買い替え需要を増大させることは難しい。

総じていえば、iPhoneを取り巻く状況は非常に困難なものになっている。2017年にリリースしたiPhone 8シリーズ及びiPhone Xの売上は、2016年のiPhone 7シリーズを下回った。さらに、2018年のiPhone Xの後継機種3モデルも、前代未聞の値下げに踏み切る状況となった。

iPhoneの売上は現在、2012年以来で最低のレベルにまで落ち込んでいるが、アップルの苦境は今後も続いていく可能性が高い。2019年に発売の最新モデルは、既に前年度の機種と同一のデザインとなることが確実で、5Gに対応せず、カメラ機能もこれまでのアップルの水準には及ばないものになりそうだ。そんな中で、唯一の希望といえそうなのが、指紋センサー復活の噂のみとなっている。

しかし、問題はiPhoneのみではない可能性もある。アップルは巨大になり過ぎ、莫大な資本力にあぐらをかくようになってしまった。忠実なアップルファンが多すぎることも、イノベーションを阻害する要因になった。iPhoneの売上は当面の間、低調な状況が続くだろう。アップルがかつての栄光を取り戻すための道筋は、全く見えないのが現状だ。

編集=上田裕資

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