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放送作家・脚本家、「くまモン」の生みの親。


自分ひとりが幸せというのはつまらない。みんなとシェアすれば、もっと幸せな気分になれる。人生や仕事において僕がいつも大事にしているのは、「Your happiness is my happiness.」という心持ちだ。

それをよく理解しているディレクターが、あるとき僕のラジオ番組で「薫堂さんの誕生プレゼントとして、誰かを幸せにして、それを報告してください!」というコーナーを企画した。

リスナーからは「ずっと諦めていたダイエットを再スタートしました」「久しぶりにおばあちゃんを誘ってご飯を一緒に食べに行こうと思います」「絶縁関係だった父に会いに行きました」などというメールやFAXが次々と送られ、僕はそれを読みながら本当に幸せな気持ちになった。おかげで最高の誕生日になりました。

福利厚生費を地域創生に利用する

ラジオといえば、僕の故郷である熊本・天草にFMラジオが開局することを本連載でお伝えしたが、正式名称を公募したところ「みつばちラジオ」が採用された。提案者は8月8日生まれの8歳の女の子! 周波数の88.8 MHzにかけて、8が3つで「みつばち」。とてもセンスありますよね?

そこで、今秋の社員旅行は天草にして、社員総出でラジオ番組をつくることにした。タイトルは「あまくさハッピーハンティング」。社員たちが3人ひと組となって天草じゅうに散らばり、自分たちにとっての幸せと、天草の人たちの幸せを探し回り、生中継で報告するという内容だ。

企画意図としては、よそ者である社員が天草の魅力を知って幸せになること。次に彼らが「これは面白い」「あれは魅力的だ」と発掘することによって、天草の人たちが「そがんとが面白かと!?」と自らの街の魅力に気づくと素敵だなと思う。

もうひとつ、いまやアプリを使えば世界中で聴取可能なラジオという媒体の良さをあらためてアピールしたい。

いま自治体はどこもMICEの誘致に忙しい。研修やセミナー、展示会のできる建物や隣接するホテルを建て、企業を誘致して観光客を増やすという、わかりやすい方策に右往左往している。しかし、そうしたハコに頼るのではなく、地元のコミュニティラジオを企業にジャックさせることで、その土地全体と住民がMICE機能を果たせるのだ。しかも、両者にとってものすごく安上がりで、かつ良い効果が見込める。 

例えば、SONYが天草で特番8時間を制作すれば、その時間は天草全体がSONYになる。デジタル一眼カメラ「α9」で天草を撮るという企画もできるし、新商品を地元の人に使ってもらって使用感を集めることもできる。レトロな映画館で新商品発表会をやれば、そのまま大スクリーンに映像を映し出せる。つまり、ラジオを介してその地域全体がMICE施設に変わり、住人も参加できる「お祭り」になるのである。

お祭りは停滞している経済や、人の生きがい・やりがいを波立てる装置である。しかも世界配信もできるわけで、一石三鳥くらいの試みになるだろう。ハコよりお祭り! 記憶に残る思い出を、皆さんもぜひ実施してみてはいかがでしょうか。

イラストレーション=サイトウユウスケ

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