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庄田:「HERP」は求人媒体と連動した採用管理システムです。求人媒体と自動で情報を連携し、候補者情報の自動取得、候補者とのメッセージの一元管理、募集記事の一括投稿などを可能にしていくことで、採用担当が抱える多くの事務作業の自動化を目指しています。

創業のきっかけは、人事の仕事は合理的でないと当事者として強く感じてきたからです。僕はリクルート出身で、当時、150社ほどのグループ会社が同じシステムを使わなければならなかった。勤怠管理は部長の代から使っている古いもので、社員が自分でスクリプトを書くなど、システムより社員の方が圧倒的にリテラシーが高い状態でした。

リクルートは変わる意思が強い企業風土ですが、それでも組織規模が大きくなり続ける中ではなかなか対応が難しい場面もありました。技術的に解決できることのはずなのに誰もやらない。その後、転職した先のエウレカでも「採用管理システムはもっと進化できるはずだ」と1人で採用業務を回しながら感じていました。それならば自分でやろう、というシンプルな気持ちではじめましたね。

鈴木:ありがとうございます。

中尾:カケハシは、薬局に勤める薬剤師が使う電子薬歴システム「Musubi」を展開しています。これは患者さんの病歴や生活習慣、これまでに服用してきた薬を参照して、薬剤師の服薬指導をサポートするサービスです。意識しているのは薬の説明だけでなく「患者さん」がどう生活したらよいか? を支援するので薬をもらう場所から気付きを得られる場所に変革させるサービスです。

患者さんと一緒に画面を見ながら説明できるほか、指導内容は自動でMusubiに記録されるので処方後の記録時間も削減でき、患者さんと向き合う時間を増やすことができるのがメリットです。

うちは「大人スタートアップ」といわれるくらいに平均年齢が高いことが特徴のひとつです。ボリュームゾーンは30代後半で、医療業界・他業界で活躍してきた人がジョインしてくれます。

その理由は医療費の増加という避けられない社会課題に真正面から向き合って、コミットしているからです。Musubiによって薬剤師の方々が働きやすくなれば、それをきっかけに業界は大きく変わるかもしれません。患者さんと良く接する職種なので患者さん側の体験が変わることを目指しています。

僕が会社を立ち上げた理由も、まさに社会に良い影響を与えたかったからです。マッキンゼー出身の共同創業者と一緒に、社会課題を解決しつつマネタイズもできるビジネスモデルを思いつくまで約40のプランを模索した結果、Musubiならいけると思ったんです。


KAKEHASHI 中尾豊

顧客と共に成長していける

鈴木:最近SaaSという言葉を目にする機会も増えてきますが、パッとイメージしづらい読者も多いと思います。SaaSがビジネスモデルとして優れていると思うところがあれば教えていただけないでしょうか?

教科書的には、各社にイチからシステムを構築するよりも導入コストや利用料が低く済むこと、そして提供者側のサーバーで管理されているためサービスの更新が容易なことがメリットとして挙げられる、と言われています。

文=野口直希 写真=小田駿一

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