バーガーウエッブというハンバーガーの統計サイトによれば、現在、ハンバーガーレストランは全米に5万店舗あり、7兆3千億円の業界規模だ。家庭での消費も含めると年間にアメリカ人は5兆個のハンバーガーを食べており、これは週に3個の計算になるという。いまチェーン展開をしているハンバーガーレストランの数だけでも、200社以上もあるという。
アメリカでの日本食の進化にも同じ動きがみられるように、「本格派」の追求が進む一方、「創造性」の追求がもう1つの柱となり、これがメニューをどんどん幅広くし、顧客に訴している。
ラーメン・バーガーも登場
マイケル・スナイダーは、まさにハンバーガーの創造性の追求に命をかけた人間で、1979年に第1号フランチャイズとして店を開いた「レッドロビン」というハンバーガーチェーンレストランを大きく成長させ、固定ファンをつくった。
ウイキペディアによれば、本社のオーナーは、日本のすかいらーくに過半数の株式を売却したようだがうまくいかず、その10年後に再び株を買い戻して、スナイダーに経営の立て直しを依頼する。スナイダーは本社の幹部に迎えられ、CEOとして上場までもっていく。
なぜファンは200社以上ものレストランの中からレッドロビンを選ぶのだろう。それは、スナイダーが、レッドロビンの従業員に、「客が欲しがるどんなバーガーもお出ししろ」と指導していたからだ。
そして、そのやりとりを通じて、いいものはどんどんメニューに追加し、品数が膨れ上がっていった。彼らは、自分たちの商品をいつも「グルメバーガー」と称するが、その原点はスナイダーのこの運営方針にあったのだ。
これが高じて、毎年、バーガーコンテストを主催するようになる。全国のレッドロビンのシェフが集まり、自分の創ったバーガーを出品する。その優秀作品がまたメニューに加えられていく。2016年には、ロスとニューヨークの期間限定でラーメン・バーガーなるものまでメニューに加わった。