田端:そもそもPRがどれくらい黒子に徹するべきなのか、前面に出てくるべきなのかは結構深いテーマです。もちろん黒子もいていいし、それが本来の姿なのかもしれません。
ただ、新しい会社やサービスにとっては、顔が見える生身の人間が露出することが大事。消費者をはじめとしたステークホルダーから見て「あの人がやっているんだ」とイメージされる役割を誰かが引き受けなければならない。無色透明の社名やサービスだけではどうしても、信頼感や責任感が弱いですよね。
中川:ネットで良くあるケースですが、広報担当者が顔でもいいんですか。
田端:全然オッケーですよ。
中川:とはいえ、田端さんの言っていることもかなり極端でもある気がするんですよ。「俺には真似できないよ」と思う人もいるはずです。そこで一般的な視点を少し紹介したい。ZOZO広報の土井さんに登壇いただきます。
土井:お願いします(笑)。
田端:これ、僕が横に居ると本音で話しづらくないですか?
土井:まあ、そうですね。
中川:ちょっとZOZOのPRや田端さんについて語っていただけますか?
土井:入社前からよく炎上する人だと知っていたので、広報担当としておびえていましたね。早速、入社1週間後に炎上しました。
中川:期待どおりにね(笑)。
土井:広報としてもてんてこまいでしたが、新しい風でもありました。田端はツイッターでも前澤に対しても私に対しても、誰でも同じようにマジレスしてくれるので。だからこそお騒がせしてしまうこともあるかと思うのですが。
中川:正直だということですね。広報の体制や仕事への取り組み方は、田端さんが来て以降変わりましたか。
土井:田端の誰にでも「マジレス」する姿勢を見て、取材や日々の業務に自分の考えをもってしっかり向き合うようになりましたし、私自身も何事にも躊躇せず、マジレスをするようになりましたね。炎上する人というイメージが先行していたのですが、実際は気さくで優しい、ただの良い上司です。
中川:ありがとうございます。田端さん、あんまり怒られなくてよかったですね(笑)。
土井:ほめ過ぎましたかね(笑)。
中川:そうそう。もっと「案外サラリーマンくさいぞ」「ここがせこい」って言ってもよかったですよ。
田端:社内の360度評価を公開されているような少し恥ずかしい気持ちですね。
土井:日経新聞の広告についても、かなり社内を駆け回ってどういう内容にすべきか聞き回っていました。その意味ではサラリーマン的というか、一人で強引に進めるタイプではなく、しっかり周りを見ながら行動できるサラリーマン気質もあるんだなと……。部下なのに上から目線ですが。
田端:いや、大丈夫ですよ。僕はマジレス推奨ですから(笑)。