──この重さを少しでも軽減したい人にとって、どんなカバンが理想的なのでしょうか。どういうポイントで選ぶべきですか?
可能であればリュックが理想で、かつ物を入れすぎない工夫をすること。また、ヒップベルトを使うと腰への負担は減少するとのことが研究よりわかっています。
──ヒ、ヒップベルト…。
もしオシャレを気にする場合は、普通の手持ちのカバンでもいいので、ストラップは長いものよりも短いものが体への負担は少ないので、短めのストラップのカバンを使用すると良いかもしれません。また、毎日同じ側の手で持つのではなく、時間や日により、左右で待ち手を変えることも必要でしょう。
ハンドバッグを肩・前腕・手のどこで持つべきかに関しては、肩で持つと歩行のアンバランスが防げるかもしれないと考えられています。
──いきなりカバンの中身を減らすことは難しいかもしれません。カバン以外に肩こりや腰痛を改善する方法はありますか。
・マッサージ:短期間の効果は認められますが、長期的にずっとよくなるわけではないです。
・運動:肩こりは週に3日以上の筋トレが効果が高く、腰痛は有酸素運動の効果が高いとされています。
・持ち方:手で持つより、肩にかける方がよく、ストラップは短い方が良い。ただ、ベストはリュックでヒップベルトを使うこと。
・お風呂:自宅のお風呂より、温泉の方が痛み等の改善効果があるとされています。
・睡眠:睡眠の質の悪化は、ぎっくり腰の発生や、慢性的な痛みの悪化につながります。
・ストレス:実は肩こりや腰痛の原因の多くは、仕事のストレスや職場の人間関係などがリスク要因としてわかっています。
福谷直人◎腰痛に特化した遠隔相談事業や運動器疾患に関わる健康経営支援事業を行う株式会社バックテック 代表取締役/京都大学大学院医学研究科 研究員(博士号)/理学療法士。1989年愛知県名古屋市生まれ。2016年4月より株式会社バックテック(ヘルスケアITベンチャー)を経営。小学校から野球を続け、プロ野球選手を本気で目指す。高校生の頃、肘を負傷し、初めて理学療法士のリハビリテーションを受け、その仕事に感動し、理学療法士の道へ。バックテックは、医療・ヘルスケア分野の最新の技術や先進事例を紹介する国際会議「ヘルス2.0」で最優秀賞を受賞。