老後資金の積み立て計画を練る際に忘れがちな「大事なこと」

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この記事をクリックしたということは、あなたは、26歳であれ56歳であれ、年金積み立てについて何らかの計画を練っているということだろう。

記事タイトルを見たあなたは、こんなことを考えていないだろうか。年金積み立てについては漏れなく徹底的に検討を重ねたつもりだ。毎月いくら積み立てるべきか、いつ仕事を辞められるのか、退職時の年金積立総額はいくらになっているか、すべてわかっている、と。

確かに、お膳立てはほぼ完ぺきのようだ。とはいえ、老後資金の積み立て計画を練る際に、多くの人が見落としている点がひとつある。それは「老後に何をするか」だ。毎月いくら積み立てればいいかとか、何年働けばどのくらい貯まるかといったことを、計算したり見積もったりするのは確かに大事だ。しかし、「退職してから何をして生きていくのか」について考えないことには、数字を割り出しても意味がない。

老後は想像以上に長い

ファイナンシャルプランナーである私のもとには、クライアントたちが、確定拠出年金(401k)プランや、毎月の払込額・投資額などについて練り上げられた資料を手にして頻繁にやってくる。ところが、「退職後は毎日、何をするのですか?」と尋ねると、彼らは途方に暮れてしまう。

老後についてとことん考えるのはきわめて重要だ。その理由は次の2つである。

1)退職後に何をして日々を過ごすのかわからなければ、必要な金額などわかるわけがない。テントで年金生活を送るつもりなら、マンハッタンとパリのペントハウスを行き来する予定の人よりも、はるかに少ない資金で済むだろう。

2)老後は想像以上に長い。では、何をすればいいのだろうか?退職したときにどんな気分になるのか、誰もがこんなふうに思い描くだろう。「働きづめの年月にようやくサヨナラ!ついに夢の67歳、退職だ。何て愉快なことだろう」と。ところが、退職して初めての朝を迎えると、ふと「何をすればいいんだ?」と茫然自失となる。

退職後しばらくは、責任も予定もない日々が素晴らしく思えるだろう。庭の手入れをしたり、溜まっていた本を読んだり。とはいえ、そうしたことにかかる時間はたかが知れている。老後は、ひたすら長いかもしれない。30年以上も続くことだってある。寿命が尽きるまで、かなりの年月を生きなくてはならない。

退職者はよく、退屈や孤独を感じたり、うつ病になったりする。それは、仕事があったからこその日常習慣や人づきあい、目的がなくなってしまうからだ。

そこで、老後の資金を弾き出す前に、次の質問を自問自答してみよう。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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