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WHILL 杉江理

メルカリ、ラクスルの上場。そして国内スタートアップの買収件数が過去最高を達成するなど、何かとニュースの多かったスタートアップ業界。

起業家たちは2018年をどのように捉え、2019年のトレンドをどのように予測しているのか。今回、Forbes JAPAN編集部は起業家に向けてアンケートを実施。2018年の事業の手応え、そして2019年の展望を伺った。

海外進出の面で手応えを感じた1年

──2018年はどのような年だったでしょうか? 今年を振り返ってみて、事業の手応を教えてください。

2018年は1月に米国ラスベガスで開催された「CES2018」でWHILL Model Cの米国モデル発表、6 月にWHILL Model Cを欧州で販売開始、8月にオランダに現地法人を設立するなど、海外進出の面で大きな手応えを感じることができました。

また、9月には新たに50億円の資金を調達し、海外進出資金とするとともに、個人用のモビリティとしての製品販売に加え、MaaS事業によるサービスの拡大のための研究開発を加速させました。その結果は、来年のCES2019でお披露目される予定です。

MaaS領域の「最後の1ピース」になりたい

──2019年、事業をどう成長させていきたいと考えていますか?

2019年は、1月のCESでの新技術発表をもって、事業の柱の一つと位置付けるMaaS事業をいっそう加速させていきたいです。

長距離の歩行を困難と感じる高齢者・障害者の移動シーンをスマートにする、これまでのMaaSになかった、歩道領域におけるソリューションを提案する予定です。

MaaS事業における他プレイヤーとの協定締結、実証実験の開始など、ビジネスパートナーとの「協創」の取り組みも多く行っていきたいと思います。

──2019年、個人的に期待している領域などはありますか?

MaaS領域に大きく注目していますが、現在のMaaS領域は、健常者や高齢者以外のみをターゲットにして構想されているのでは、と感じています。

現在、日本の後期高齢者(75歳以上)は約1,800万人で、その過半数が、500メートルを超えて歩行するのが困難と感じている。さらに、全世界的な高齢化の影響で、長距離歩行が困難と感じる人は日本以外でも増えていくため、すべての人にとって最適な移動手段が提案されるかどうかには、疑問を感じます。

労働人口が減少する中、高齢者の介助に関する人手不足も大きな課題です。そのような中でWHILLは、だれもが乗れて、だれもが乗りたくなる、歩道領域におけるユニークなプレーヤーとして、MaaS領域の「最後の1ピース」となりたいと思います。


杉江理◎1982年、静岡県生まれ。立命館大学卒業後、日産自動車株式会社に入社。開発本部に配属される。退社後は、中国へ渡り南京で日本語教師を1年間務める。その後2年間、世界各地を回る。2012年にWHILL株式会社を設立、最高経営責任者(CEO)に就任。元世界経済フォーラム(ダボス会議)GSC30歳以下日本代表。

構成=新國翔大 写真=WHILL提供

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