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「個人ではあらゆる支払いでカードの利用が可能になったが、法人だとまだまだカードを使えない分野が多い。例えば備品などの調達にECサイトを利用する場合や、デジタル広告やSNS広告を配信する場合など、企業活動においても、その規模を問わず、もはや法人向けのカードは必須である。また、例えば電気・ガス・水道などでも、法人ではカードが使えないことが多い。一方で企業間のB2B決済や仕入れの場面では未だに請求書払いが一般的。ここに大きなポテンシャルがある。カード払いを広めていくことで、より法人ビジネスを後方支援していきたい」

個人部門での成功体験を、法人部門でも生かしていけると語る。

「法人ビジネスでは、これまで出張や接待交際費に注力してきた経緯があります。これからは法人向けのカード利用の範囲を広げ、販売管理費や企業間決済、税金もカードで決済いただくことが当たり前になるようにしていきます」。確かにカード払いができる領域が広がれば経営のスピードも上がる。カード利用により支払いまでの期間が生まれることも、特にスタートアップにとっては利点と言える。

アメックスの本気は須藤の動きからもうかがえる。取材直前、須藤は同社が主催した福岡市中央区のスタートアップ向けイベントに参加していた。須藤は「世界を変えるような企業が日本からも出てきて欲しい」と話す。

アメックスがスタートアップを支援する理由を「企業の誕生と成長に寄り添う形で、アメックスが常にバッキングしていきたい」と語る。「世界を変えるような企業を支援していきたい。アメックスはすでにその準備ができています。今や世界的な企業も、元はスタートアップから始まっています。ぜひ日本からもそういう企業を輩出できればと思っています」。

米国で創業して2018年で168年。日本進出は1917年だ。時代は変われど、アメックスの哲学は変わらない。須藤は同社が誇る「日々、世界最高の顧客体験を提供する」というビジョンの本質を教えてくれた。

「世界6万6000人の社員に課せられたミッションは『忘れられない感動体験』。本当に忘れられない感動をしたという経験は忘れないし、誰かに話したくなるもの。満足を超えた感動体験を、これからもお客様に提供していきたい」

須藤靖洋◎1990年、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc. に入社。2001年 よりマーケティング部に配属。11年より「商品開発」、「ブランド」、「顧客エンゲージメント」を統括するマーケティングの副社長に就任。15年に個人事業主、中小企業経営者向けサービスを統括する副社長に就任し、16年より現職。

文=林亜季 写真=小田駿一

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