私たちはなぜ「必要以上に」モノを買うのか?

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私たちは驚くほどの量の「モノ」を所有している。例えば、米国については統計から、次のようなことが分かっている。

・住宅の平均面積が約93平方メートルからおよそ232平方メートルに拡大

・パーソナルストレージの市場規模は、240億ドル(約2兆7200億円)を超える

・50年前のおよそ2倍のモノが消費されている

・クレジットカードの借金は平均およそ1万5950ドルに上る

これらの数字を見ればきっと、「私たちが必要以上のものを買うのはなぜだろう?」といった疑問が浮かんでくるはずだ。答えを出すことができれば、私たちはモノを持つ以上に重要な何かを追求することに、自分たちの生活とリソースを振り向けることができるようになるだろう。

なぜ「モノを買う」のか自問自答するのは、難しいことかもしれない。自分の弱さや不安感を認めることにつながるからだ。だが、自己分析はどんなときにも価値のある行動だ。私たちが必要以上にモノを買ってしまう理由の幾つかについて、考え直してみてほしい。

1. 「安心感を得られる」と思っている

私たちは、何か(住宅や衣類、信頼性の高い交通手段)を持つことが安心感をもたらすなら、それはモノを過剰に持つことで、さらに高まるはずだと考える。

だが、最も基本的なニーズを満たす以外のモノがもたらす安心感は、それほど安定的なものではない。いずれも消え失せたり、役に立たないものになったりする。

2. 「幸福感を得られる」と思っている

自分が物質的な所有を通じて幸福を追求していることを、認めようとする人はいないだろう。それでも私たちは、より大きな家、より速く走る車、よりクールなテクノロジー、そして流行のファッションを追い求め、それらによって自分をより幸せにしたいと考えている。

ただし、残念ながら、必要以上のモノを持つことで得られる幸福感は、あっても一時的なものだ。
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編集 = 木内涼子

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