2018年にキャリアが失墜した大物12人(前編)

アメリカン女優 ロザンヌ・バー (Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images)


カルロス・ゴーン

自動車業界での40年のキャリアを通じ、1社のみならず3社の大手自動車メーカーのトップに上り詰めたカルロス・ゴーンだったが、そのキャリアは11月19日、日本での逮捕によって急停止した。きっかけとなったのは日産自動車の内部調査で、数年間に渡り脱税目的での報酬の過少申告や会社資産の不正使用などの不法行為に及んでいた容疑がかけられている。

逮捕から1週間のうちに日産と三菱自動車はゴーンを解任。東京地検は12月10日、2015年3月までの5年間に日産からの役員報酬を約50億円過少申告したとしてゴーンを起訴するとともに、2018年3月までの3年間の報酬にも虚偽の報告があったとして再逮捕した。公判日程は決まっておらず、ゴーンは容疑を否認しルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)に留任しているが、有罪となれば懲役10年が言い渡される可能性がある。

エリザベス・ホームズ

2016年10月、セラノスがラボを閉鎖し従業員の43%を解雇した時点で、創業者エリザベス・ホームズの起業家としてのキャリアは地に落ち切ったと思われていた。フォーブス誌でも同年のキャリア転落者リストにホームズを加えている。ところが今年3月、米証券取引委員会がホームズとセラノスのサニー・バルワニ社長(当時)を投資家に対する詐欺行為で提訴したことで、彼女のキャリア失墜が終焉には程遠いことが明らかになった。

3カ月後の6月15日、連邦検察はホームズとバルワリが投資家に対する数百万ドル規模の詐欺と医者や患者に対する詐欺行為を企てたとして、両者を起訴。ホームズはCEOを辞任した。翌日の罪状認否でホームズは無罪を主張したが、かつて90億ドル(約1兆円)の価値があったセラノスは9月、正式に解散することが伝えられた。これでホームズのキャリアは最終章を迎えるとみられる。彼女に残されたのは裁判のみで、その日程は検察当局による捜査が終わり次第決まる予定だ。

メーガン・ケリー

2017年、FOXニュースからNBCへ移籍した人気キャスターのメーガン・ケリーは、エレン・デジェネレスのトーク番組『エレンの部屋』に出演し、移籍を決意した理由について「ゴタゴタには巻き込まれずに、ただニュース報道だけに携わりたかった」と語っていた。ケリーはこの時、NBCでの新番組スタートからわずか1年余りで自身がニュースになろうとは知る由もなかった。

ケリーは今年10月23日、番組でハロウィーンの仮装について論じた際、黒人に扮(ふん)して顔を黒く塗る「ブラックフェース」と呼ばれる行為を擁護し、「何をすれば人種差別になるのか? ハロウィーンで白人がブラックフェースをしたり、黒人がホワイトフェースをしたりすると問題になる。でも私が子供の頃は、それをしてもキャラクターとしての仮装であれば大丈夫だった」と発言した。

これを受け視聴者やスタッフからは批判が殺到。ケリーは翌日の番組冒頭で謝罪した。しかし騒動は収まらず、NBCは数日後に番組打ち切りを決め、ケリーとの6900万ドル(約76億円)の契約について交渉を始めた。NBCはケリーに対するこれ以上の支払いは避けたい意向だ。

2018年にキャリアが失墜した大物12人
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編集=遠藤宗生

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