ビジネス

2018.12.27 10:30

転落を続けるフェイスブックはどこへ行くのか?


フェイスブックは信頼できない企業だが、これは驚くことでもない。ザッカ―バーグが2006年、自分を信頼して個人情報を託してくれたユーザーを「大ばか」と呼んでいたことを思い出せばよい。ザッカーバーグにとってユーザーは尊敬にも約束にも値しない素材で、自分の好きなように売買でき、尻尾をつかまれても「こりゃ失敬!」と言えば済む存在なのだ。

問題はフェイスブックではなく、何でもありの原則に基づいたビジネスモデルだ。起こるはずもないことだが、仮にザッカーバーグが同社を追い出されたとしても、通常なら許されないことを普通にするという考えに基づいて作られた組織を浄化することはできない。

フェイスブックは今後どうなるのだろう? 死のスパイラルに見える状況にある今でも、同社は多くの広告主のおかげでいまだに金を生む機械となっている。フェイスブックを自社の多くの戦略において理想的な媒体だと考えている企業が同社と袂を分かつのは難しいし、おそらく不可能だろう。同様に、フェイスブック側がビジネスモデルを変えることはないだろうし、たとえ変えたと言われても誰が今更それを信じるだろう?

私たちは今後、ソーシャルネットワークとしての原点である、人々が集まり本当の自分を出せる場所という考え方に回帰するのだろうか? あるいは、ソーシャルネットワークをやめて個人ウェブサイトを作り、自分のルールに基づいて運営できる「自分だけのフェイスブック」を作り上げることになるのだろうか? ザッカーバーグとフェイスブックの時代は将来、インフルエンサーと呼ばれる人々が何をしても許された現代版「狂騒の20年代」としてのみ記憶されることになるだろうか?

編集=遠藤宗生

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