コンステレーション・ブランズのFocus on Female Foundersプログラムを通して、すでにメーカー2社が支援を受けている。オースティン・カクテルズ(Austin Cocktails)とヴィヴィファイ・ビバレッジズ(Vivify Beverages)だ。
ジル・バーンズとケリー・ガシンクの姉妹は2012年、テキサス州オースティンで、ボトル入りカクテルを製造・販売するオースティン・カクテルズを創業した。カクテルのレシピは祖父一族直伝のものだ。現在は、アルコール含有量15%のボトル入りカクテル5種類を、9州で小売り販売している。
ヴィヴィファイ・ビバレッジズの共同創業者で、マーケティング&イノベーション部門のバイスプレジデントを務めるサラ・ロスはプレスリリースで、「コンステレーション・ブランズの考え方は私たちと似ている。彼らは、過去に成果をあげたものではなく、次に来るものは何かに焦点を合わせている。コンステレーションから提供される投資資金と専門知識を活かせば、私たちはこの勢いを維持できる」
ヴィヴィファイが製造・販売しているのは、「あなたの体により良い」と謳うグルテンフリーのスプリッツァー(白ワインのソーダ割り)だ。アルコール含有量は4.2%で、ビール売り場に並んでいる。
「Bravazzi Hard Italian Soda」は16州で、「Itz Spritz」は6州で販売されている。コンステレーションの本拠地であるニューヨーク州でもまもなく、両方の販売が開始される予定だ。
女性創業者または女性経営者の企業がコンステレーションからの投資を希望する場合、申請が必要だ。承認された企業は、現金による資金援助が受けられるほか、ブランド構築や事業計画、ガバナンスやファイナンスを専門とするコンステレーションの社員に相談することもできる。
アメリカでは、アルコール飲料は3段階流通システム(製造業者、卸売業者、小売業者)で販売されているが、支援を受けた企業は、コンステレーションが確立しているシステム内のコネクションも利用可能だ。
コンステレーションは、アメリカで3番目に大きいビールメーカーだ。また、世界ワイン市場においては、E.&J.ガロとトップ争いをしているほか、世界でもっとも知名度の高い蒸留酒ブランドをいくつか傘下に置いている。
そんなコンステレーションにとって、女性がトップに立つスモールビジネスに投資すると、具体的にどんなメリットが得られるのだろうか。投資先の持ち株を手に入れたいのか、いずれ金銭的な見返りを得たいのか、それともほかに目論見があるのだろうか。
マーティンは以下のように述べた。「私たちのベンチャー戦略は、アルコール飲料業界やその周辺業界を革新的に破壊する試みを行っている起業家を見つけ出し、支援することだ。それによって、当社も戦略的な価値を得られるだろう。ベンチャー契約関連の合意条件は公表していない」
同社のウェブサイトには、「業界のリーダーであることは、ブランド構築の責任も含まれていると私たちは考えている」と書かれている。世界のアルコール飲料業界では往々にして、ブランド構築と買収は同義語だ。コンステレーション(星座)を形作る星の仲間入りをする女性所有・経営のアルコール飲料会社が、いずれ誕生するかもしれない。