経済恐慌でも会社を存続させる方法

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また、在庫はしっかりと監視しなければならない。不況時に企業が必要な商品の在庫は好景気時に比べてはるかに低いし、在庫に投資するよりも良い資金の使い道がある。切迫した状況では、元値を切る金額で在庫を清算することになるかもしれないので、最初から在庫に費やさずに現金で持っておいたほうが良い。

設備投資計画は、不況時には保留にしておくべきだ。これは長い目で見ると混乱とコスト増大につながるかもしれないが、短期的に見れば、現金の節約は会社の生死を分けることとなる。

また、たとえ融資を受ける意思がないとしても、与信枠は最大水準を維持すべきだ。融資を受ける能力は会社の生き残りや、不況を利用した優位性向上の機会をもたらすかもしれない。

財務的に良い状況で経済停滞に突入し、適切に経費を削減する企業は、格安で企業や設備、不動産を購入できるかもしれない。実際、大きな成功を収める企業は、多くのM&A(企業の合併・買収)が実施される好景気時ではなく、経済停滞の時期に買収を行うことが多い。これも、与信枠を高い水準で維持するべき正当な理由だ。

個人向け貸し付けや商業貸し付けが下がる不況時に生き残り、買収の機会を利用する企業は銀行から一目置かれる。銀行は、他社が借りない時期に拡大を遂げる健全な会社を好む。

米エアトラン航空は、2001年の不況前、古い航空機を使用するスタートアップで、所有していた46機の使用年数は平均で26年だった。他の航空会社(特にコスト体系が高い企業)が2001年の不況と米同時多発テロで深刻な打撃を受ける中、エアトランは航空機を安値で購入した。そうしてエアトランは5年後、平均使用年数が3年の航空機を76機所有する会社となった。

以上の方法で景気後退にどう対処するかを考えておけば、来たる苦境への事前準備はより楽になるだろう。

編集=遠藤宗生

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